スタッフの一言/日々スポーツ取材に励むメ~テレスポーツ部スタッフそんな彼らが取材先で感じたことをつづる

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水上の甲子園大会

2007/09/11
今回の担当者

がばい旋風・佐賀北高校の優勝で幕を閉じた夏の甲子園大会の1週間後、蒲郡でもうひとつの甲子園大会」があった。「SG第53回モーターボート記念」。競艇の話である。このレースは全国の競艇場から選ばれた選手が頂点をめざすことから「競艇界の甲子園」といわれているのだ。全国の精鋭が火曜日から予選を戦い、日曜日の優勝戦で1位になった選手が王者となる。
筆者は番組収録のため、準優勝戦が開催された土曜日に競艇場に足を運んだ。蒲郡競艇場は全国でも数少ないナイター設備のある競艇場で、カクテル光線の下、本家甲子園に負けない白熱した戦いが繰り広げられた。9Rは4号艇・市川哲也がスタート直後の1マークでまさに神業のようなツケマイ(=内側から切り込んで抜く)を決めて観客をうならせた。11Rは地元愛知の赤岩善生と、がばい旋風再現なるか佐賀の上瀧和則の2着争い(2着までが優勝戦に進出できる)が熾烈を極めた。技ありスタートで2番手につけた上瀧。しかし地元のコースを知り尽くす3番手の赤岩がじりじりと差を詰める。2周2マークで赤岩が豪快に切り込んでついに上瀧をとらえる。とらえた瞬間、場内から歓声があがった。(やはり地元は声援が大きい)しかし抜かれた上瀧も喰らいつく。すさまじいデッドヒート。結局最後は赤岩が上瀧を押さえ込んで優勝戦進出を決めた。競艇界トップ選手たちの究極の技術と勝利への執念。観客も筆者も大いに魅せられ興奮した。(最も筆者が興奮したのは仕事の合間にこっそり舟券を購入し、見事3連単1-2-6を的中させたためもあるが…)

まだまだ「ギャンブル好きのおっちゃんが集う場所」というイメージが強い競艇だが、夜風に揺られながら見るナイターレースは雰囲気があって、女性客同士や若いカップルにも違和感なく楽しめる感じがある。また、昼間は「仮面ライダー」のステージがあったり、キッズルームも備わっていて、子ども連れでもOKだ。さらに蒲郡競艇場はよりたくさんの人に競艇場に足を運んでもらおうと、8月2日から来年3月まで100円の入場料を無料にした。「おっちゃんの遊び場」から「女性、家族連れの楽しめるスポット」に変わろうとがんばっているのだ。まだ競艇場へ行ったことがない人は行くといろいろ発見があるはず。

副部長:K

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