スポーツにまつわる伝説や言い伝え、些細な疑問までを徹底検証します。
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2008/05/10放送
2004年アテネオリンピック。中国の昇り竜・劉翔が、アジア人として初めて、トラック競技で金メダルを獲得。その種目が…110mハードル!!
110mの間に10台のハードルを越える競技。もともとヨーロッパ発祥の競技で、最初は120ヤードだったが、それをメートル換算すると約110mになったといわれている。ハードルの高さは106.7cm。この高いハードルを10台、よりタイムロスが少ないように跳んでいく高い技術力が必要とされる競技なのだ。
その110mハードルで、北京オリンピックの出場を目指しているのが、吉岡康典、32歳。吉岡は、インターハイ2冠など将来有望な選手として若い頃から名をはせていた。
北京オリンピックの出場はまずタイムが第一となる。110メートルハードルでは13秒55を突破しないとオリンピック出場は無い。吉岡のベストタイムは13秒71。派遣標準記録まであとわずか0.16秒。さらに6月に行われる日本選手権で3位以内に入らなければならない。
その吉岡は現在、苦境に立たされていた。
実は去年の9月でスポンサー契約が切れ、それ以降どこにも所属できていない。つまり定期的な収入がなく、32歳の吉岡にとって現状は非常に厳しい。現在は貯金を切り崩しながらの生活。練習場は自ら手配する。トップアスリートでもこれが現実。
そんな中さまざまな企業にメールで自分の資料を送り就職活動をしている。いつ連絡が来るか分からないため、練習中でも携帯は手放せない。明日への不安を抱えながら、過ごす日々。これが現状なのだ。
4月11日、吉岡が今シーズン最初のレースを迎えた。初戦の目標タイムは13秒台。タイムは13秒98。向かい風0.9メートルという厳しい条件を考えれば吉岡にとっては予想以上に満足な記録がでた。このままの勢いで、北京への切符を掴み取りたい!夢のオリンピックのため、吉岡は走り続ける。