日々スポーツ取材に励むメ~テレスポーツ部スタッフ。そんな彼らが取材先で感じたことをつづります。
143
2009/10/13
今回の担当者
勝負の世界は厳しい。
内容がどうであれ、当事者そこのけで外野がいくらわめいたところで、
そこには、勝ちと負け、勝者と敗者しかいない。
それでも、だからこそ、時に勝負は美しく気高い敗者を生む。
ACLベスト4をかけ、名古屋グランパスは川崎フロンターレと対戦した。
過去の対戦成績を紐解いても、今シーズンの対戦成績でも川崎の圧倒的有利。
しかもACL準々決勝、先手を取ったのは、ホームで一勝を挙げた川崎だった。
そして、第2戦。グランパスのホームでの戦い。
グランパスはこれまでの雪辱を果たす
3対1の勝利。ここ1番で、グランパスが勝者となった。
試合後、肩を落として帰っていく川崎の選手たちに、
ホーム側のスタッフは掛ける言葉がみつからなかったという。
それでも、何とか「お疲れ様でした」と声をかけると、どの選手も、
きちんと相手の目をみて「お疲れ様でした」と頭を下げていく。
そして、川崎の主力・中村憲剛選手。
「お疲れ様でした」と声をかけたスタッフの方に向き直り、
「頑張ってください」。頭をぺこりと下げて帰った。
戦った者だからこその気概だと、思った。
グランパスは、
ただグランパスのためだけではなく、
これまで戦った敗者の想いを胸に戦うことになる。
ディレクター:A