1月の審議番組、開局40周年記念番組「コーリュー」について、意見を伺いました。
番組は、漫画家の江川達也氏の原作を本人が脚色したものです。外国人ばかりが住むアパートの管理人と、このアパートに居住する外国人、そして地域の人々との交流をコメディータッチに描いたものです。
委員の主なご意見を紹介します。
- 取り上げている問題は、大変大きいものだ。外国人のコミニュティーの問題は、大都市だけでなく、いまや地方都市にも拡がり、それぞれの地域で重大化している。国際交流、外国人との交流がシビアな問題を含んでいるのに、番組からその厳しさが伝わってこない。
- 外国人の問題を取り上げることは、外国人と一緒に暮らしていくうえで重要なことだ。ごみの分別収集ひとつとっても、日本人との違いがある。
- 人間関係をもっと細かく描いて欲しかった。コメディーのわりに、テーマを深刻に扱っていたが、一本の番組で納めるには難しい問題だ。
- テーマの設定は、意義があって良かった。しかし、問題の捉え方と表現に違和感があった。メディアが競合するなかで、地方局としてコンテンツの切り口をどうとっていくか考えていく必要がある。地元というと、すぐに名古屋弁、名古屋の街となるが、限界がある。地元でしか出来ないことを考えて欲しい、地方局のアイデンティティーをどう発揮していくか探って欲しい。
- 劇画はコマで表現するが、映像は周辺の余分なものも描いていく。劇画タッチ、コメディータッチは、ひとつの作り方ではあるが、この場合テレビドラマとして十分に描ききれていなかった。奇想天外な作り方の中に身近な真実が描かれているものだ。登場人物の中にそうしたものがあっても良かった。
- 日本人が作った日本人のためのドラマだが、外国人を主人公にしたら違った描き方になった。
- 社会的な問題を明るく、スピーディーに取り上げていて良かったが、話しが唐突過ぎるし、主人公のあの若さで、問題をあれだけ切り回せるものではない。また主人公の父親役の設定も若すぎる。しかし、いい問題提起をしてくれた。
- 日本が外国人をどのように受け入れているのかの問題だが、解決は容易ではない。漫画が原作のドラマは、映像の手法が違うので、必ずしも成功するとは限らない。
以上のようなご意見でした。 これに対し局側から、「明るく描いて視聴者に判りやすく作った。そのために問題提起はしているが、解決の糸口を先送りにし、未消化のまま終わった。次回作でご指摘の意見を活かしたい。」「昼間の放送だったが、再度深夜での放送を検討したい。また、機会があれば、パート2の制作も検討したい。」との発言がありました。
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