今月は、7月4日スタート毎週金曜日の深夜11時25分から放送の新番組「ダムド・ファイル」を審議していただきました。
番組は、東海地方に伝わるホラーポイントを題材にした、オリジナルミステリードラマです。
委員の主なご意見を紹介します。
- ローカル局の制作番組にしては、映像がキー局なみに良かった。しかし、どこかで見たシーン、どこかで見たフレームの連続であった。
- 小説のホラーの恐ろしさは、「最後は人の心の中に潜むもの」との落ちがある。
テレビの場合は、映像で処理するのだが巧く出ていなかった。
- この地方に伝わる怪奇現象といっているが、事実をどう取り扱うかであり、このドラマは全てがフィクションに見える。もっとリアルであって欲しい。この番組にとっての「ホラーのコンセプト」をしっかりさせる必要がある。事実なら事実として知らせるべきだ。
- これは新たな郷土史だ。怪談とかに載せて紹介するその地方の伝承であり、地方局が制作する価値がある。「悪霊」はその地方が持っている歴史であり記憶である、そういったものを掘り起こそうとする試みだと思う。その試みをファイルしていく、これまでにない切り口の番組だ。
- 名古屋は歴史が消された街だといわれているが、この街のどこかにいろんな歴史が眠っているはずだ。いまを生きている人達は、過去を巧く引き出していない。
こうした意味も含め、これらを眠りから掘り起こすことも必要だと思う。
といった指摘がありました。
これに対し局側から、「事実関係が巧くドラマ化されていなかったことが、このドラマを面白くなくしているし、ホラーをマンガ的にしている部分が多すぎたと思います。場所があって物語があるといった視点に立てば、この地方はいろんな現象の宝庫です。撮影を断られることもありますが、今後も再現ドラマの形式をとることなく、事実を映像化していきます」と回答しました。
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