2016年9月4日放送
第183回青少年委員会(7月26日開催)では、6月16日から7月15日までに寄せられた視聴者意見から1案件について討論しました。
この視聴者意見は、連続ドラマの第1回放送について、「ゴールデンタイムなのに死体の描写がグロテスクすぎて、大人でも見ることに限界を感じた。異常犯罪が続く中、子どもや青少年が見た時の影響が怖い。事前に注意喚起のテロップを流すなり時間帯を考えて放送してほしい」というものでした。
委員会では、番組を視聴したうえで討論の結果、審議には進まないことにしましたが、残虐なシーンのある番組を放送する際の配慮に関する「委員長コメント」を公表しました。「委員長コメント」は以下の内容です。
残虐なシーンをわざと視聴者に見せることによって、ある種の恐怖感などを与え、それによって期待感や効果を高めようとする手法がある。江戸時代の「怪談もの」に見られるように、昔からそのような庶民文化はあり、現在でもそうした「ホラーもの」は市民権を得ている。最近は夏場にテレビで放送されることが多い。
テレビの視聴者の中には、そうしたジャンルの作品が好きという人もいるが、逆にこの類いのシーンを見ると、恐怖感が募り夜寝るのも怖くなるという人もいる。それだけに、公共的なメディアである放送においては配慮が必要になる。
この番組の紹介には、「スリリングなストーリーと衝撃の結末」「猟奇犯罪ミステリードラマ」とある。猟奇的に殺された人間の、殺されている姿を、そのまま突然前触れもなく放送するというのは、一部の人に「嫌悪感」「過度の刺激」を与える可能性がある。この番組では残虐なシーンでは色味をおさえたり、短いシーンを積み重ねるなど、一定の配慮が見られるが、放送時間帯との兼ね合いもあり、さらなる工夫が必要ではなかったかと考える。
また番組の冒頭部分で意表を突き、刺激的なシーンで効果をあげようとする意図はよく理解できる。しかし、そのシーンが「嫌悪感」や「過度の刺激」を与える可能性がある場合は、番組視聴者に、内容によって「見る」「見ない」を選択するための情報を示すことが、放送が持つ公共性の点から必要なのではないか。今後、同様の番組が放送される際の参考に資するために、上記の点についての配慮を各局に促したいと考え、コメントすることにした、としています。詳しくは、BPOのホームページをご覧ください。
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