トライアスロン史上最年少の日本チャンピオンは18歳 スイム・バイク・ランの過酷な練習に密着
2023年8月10日 16:58
泳いで、漕いで、走って…3つの種目を1日でこなすトライアスロン。この過酷なスポーツで日本一に輝いた18歳が、愛知にいます。
日本福祉大学1年 林愛望選手
知多半島にあるゴルフ場。
広大な場所で練習する、日本福祉大学1年・愛知県西尾市出身の林愛望選手。
彼女はゴルファーではなく、実はトライアスロンの日本チャンピオン。
2022年、高校生ながら日本選手権を制覇。
史上最年少優勝を果たした逸材なんです。
高校生で日本選手権を制覇(2022年)
スイム・バイク・ランを1日でこなすトライアスロン、18歳の日本チャンピオン
トライアスロンは、スイム・バイク・ランの3種目を連続して行う競技。
五輪にも採用されています。
「陸上とか水泳だとメジャーで戦えないけど、それでも3種目あるから戦える、1種目が悪くてもあとの2種目で補えるところが魅力です」(日本福祉大学1年 林愛望 選手)
朝6時半からバイクの練習へ
過酷な練習スケジュール、早朝バイクからスタート
週に1~2度、1日で3種目のトレーニングをこなす林選手。
過酷なスケジュールは朝6時半から始まります。
まずは大学周辺でバイクの練習。アップダウンの激しい道も顔色一つ変えません。
全くペースを落とすことなく1時間。
小学校から指導を仰ぐ倉内千紘コーチと共に、30kmの距離を走り続けました。
とはいえ大学1年生。学業も疎かにはできません。
「普段は9時20分から授業で、ほとんど1~4限まで90分授業が入っています」(林愛望 選手)
大学の水泳部でスイムの練習
大学のプールで苦手なスイムを重点的に練習
午後2時。向かったのは学校のプール。
大学にトライアスロン部はないため水泳部に所属し、スイムの練習に励みます。
「スイムがあまり得意ではなくて、出遅れてしまうことが多くあるので、スイムを重点的に練習しています」(林愛望 選手)
水泳部の坂口結子監督と林選手
スイムの指導をするのは、トライアスロンのコーチではなく水泳部の坂口結子監督。
オリンピック代表スタッフだった経歴を持つ指導者です。
「人の波を使って泳ぐことや海での泳ぎ方とか丁寧に教えてくれるので、助かっています」(林愛望 選手)
「泳ぎ方をこうしたら良いよと話すと、しっかり自分で応えてくれる、考えて自分の体で表現して泳ぎの改善をしてくれる、非常にやり取りがしやすい選手です。日本代表になって、きっと金メダルを獲ってくれるんじゃないですか」(日本福祉大 水泳部 坂口結子 監督)
ゴルフ場でランの練習
ゴルフ場でラン、本番と同じ10km
トータル5.5kmを泳ぐと最後のラン。
今度は陸上部で練習。この日にトレーニングしていたのが、知多半島のゴルフ場なんです。
「普段より足場が悪くて、アップダウンがあるので、上り下りの走り方には注意して走っています」(林愛望 選手)
走る距離は10km。トライアスロンの本番と同じです。
朝からの疲労が蓄積する中、林選手は陸上専門のランナーを抑え、なんとトップでゴール。
ようやく1日の練習が終わりました。
「3種目やる日はすごく疲れます。途中で足もきつくて腕振りの腕もきつかったけれど、チームの皆と練習できて良かったかなと思います」(林愛望 選手)
アジアトライアスロンU23・ジュニア選手権(愛知県蒲郡市)
ジュニア最後の年に地元の大会で優勝目指して
6月、愛知県蒲郡市で開かれたジュニアの国際大会。
19歳以下のアジアナンバーワンを決める戦いに出場しました。
「去年は優勝を狙っていたんですけど逃してしまったので、今年はジュニア最後の年で、地元だったので必ず優勝するという気持ちで全力で挑みました」(林愛望 選手)
初優勝を目指し、まずは苦手のスイム。
先頭集団につける上々の滑り出しを見せます。
続くバイクでも上位をキープ。終盤でトップに立ちます。
林愛望 選手(18)
勢いそのままに、最終種目は得意のラン。
後続との差を広げ、トップを独走します。
2022年のリベンジを果たし、国際大会初制覇。
アジアのジュニアナンバーワンに輝きました。
「ジュニアの最後の年で、地元愛知で優勝できたことはうれしく思います」(林愛望 選手)
ロサンゼルス五輪を目指して
狙うのは2028年のロサンゼルス五輪「一歩ずつ成長していきたい」
今後、国際大会でもトップのカテゴリーにステージを移す林選手。
狙うのは5年後、2028年のロサンゼルス五輪です。
「世界の上の大会を知らないので、ヨーロッパやアフリカ・アメリカの選手と戦って刺激をもらいつつ、ロサンゼルス五輪に向けて一歩ずつ成長していきたいと思います」(林愛望 選手)
(8月10日15:40~放送 メ~テレ『アップ!』じもスポ!コーナーより)