季節外れの感染拡大"プール熱"こと「咽頭結膜熱」に注意! 「コロナ禍の間に流行せず、免疫がない状態」
2023年12月14日 13:31
いま東海3県では、この時期には珍しいある感染症が流行しています。岐阜県と三重県では、過去最高レベルの流行になっているそうです。その理由と対策を取材しました。
名古屋市にある、市立第三幼稚園。満3歳から5歳までの約90人の園児が通っています。
13日は、12月のお誕生日会。お楽しみのおやつの時間の前に、まず行うのは――
「ゴシゴシゴシ 100回洗う!100回ゴシゴシ洗う!」(園児)
子どもたちはしっかり、手洗いとうがい、さらに、除菌スプレーで、手の消毒も行います。しっかり感染対策をして過ごしていますが、それでも今、子どもたちの間では、様々な感染症が流行し、気が抜けないといいます。
「特にたくさんというわけではないが、アデノウイルスやRSウイルスなど、いろんなところからもらってかかっているお子さんがいる状況です」(名古屋市立第三幼稚園 平松章予園長)
こちらの幼稚園では、今年、例年より早い時期にインフルエンザが流行し、10月には2クラスが学級閉鎖になりました。今年は、季節に関係なく、感染症が流行っている状態だといいます。
「1つの種類だけじゃなく、2つ一緒に感染してしまって入院されたお子さんがいたり、下の子も体が小さいとあっという間に重症化して重くなっちゃうこともあります。いろんな感染症が流行っているので、体調が悪そうだなとかお弁当の食べが悪いとか、そういう時は先生が、体温測ったり職員室に連れてきて安静にしたり、そういうことには努めています」(平松園長)
愛知県の「咽頭結膜熱」患者報告数は増加傾向
もともとは夏に流行する病気
いま流行しているのは、この時期には珍しい感染症。子どもに多くみられ、「プール熱」と呼ばれた「咽頭結膜熱」です。
高熱や、のどの痛み、結膜炎を発症する病気で、夏に流行することが多いといいます。
ところが愛知県では、11月末の定点医療機関あたりの患者報告数が2.99人、岐阜県では3.28人と、調査を開始した1999年以降で最も高い報告数となっています。
さらに三重県でも報告数は4.62人。過去最大の流行規模で推移しているといいます。
「9月中旬から1定点医療機関あたりが1.0を超えてきて、それ以降は増加傾向」(三重県医療保健部 深田英伸さん)
「Family Clinic みわた小児科」の三輪田博介院長
「ちょっと特殊な状況」
なぜ、いま流行しているのでしょうか?
「ちょっと特殊な状況。1人でると、大流行していつまでも続く。感染の連鎖。(コロナ禍の)3年、4年の間、流行っていなかったので誰も免疫がないの今の状態」
こう話すのは、名古屋市にある「Family Clinic みわた小児科」の三輪田博介院長です。
朝から、発熱やせきなどを訴える子どもが診察に訪れていました。
「子どもに風邪の症状があったので来ました」「嘔吐と熱と下痢があったので。最初は38度を超えたが、今は37度台」(受診した親子)
プール熱の予防には、家庭内での対策も重要です。
「コロナと一緒で、流水で手洗いして。プール熱は目やにから感染したりするので、お風呂は最後にするとかタオルを変えるとかは必要」(三輪田院長)
(12月13日15:40~放送 メ~テレ『ドデスカ!+』より)