水害から身を守るために 知っておきたい「川」「水害関連」の言葉【暮らしの防災】

2024年7月7日 14:01

川などが処理できる(流せる)量を超える量の雨が降るといわゆる「水害」に繋がる場合があります。今回は、水害から身を守るために「川にまつわる言葉」や「水害関連の言葉」について説明します。

右岸左岸

<右岸左岸>

よく川の「右岸」「左岸」と呼びますが、これってどっちなの?と思いますよね。これには決まりがあります。上流を背にして立って、右側が「右岸」、左側が「左岸」です。

 

本流が一級河川であれば、その支流も一級河川

<河川の種類>

 堤防に建っている看板に「一級河川 ○○○川」と書かれています。「二級河川」という表示があります。一級河川と二級河川の違いはと言うと…

【一級河川】
一級河川は「国土交通省(国)が管理している川」です。人々の暮らしを守り、産業の発展に重要な役割を果たす川です。本流が一級河川であれば、その支流も一級河川になります。

 細い川に「一級河川」の看板があり「何でこんな川が」と思うことがありますが、それは、その川が一級河川の支流だからです。

 一級河川の本流と支流を合わせて「水系」といい、日本には109の水系があります。

【二級河川】
 一級河川以外の水系は、二級河川として都道府県知事が管理します。全国で二級河川に指定された水系は、2713水系です。

【単独水系】
 一級水系,二級水系以外の川です。準用河川とも言い市町村長が管理します。

 

「洪水」「外水氾濫」「内水氾濫」

<洪水とは>

 「洪水」と言うと川から水が溢れ出たことをイメージしますが、この言葉の使い方にもルールがあります。

 洪水とは、大雨などで川を流れる水の量が普段より異常に増えた状態のことを言います。

 まだ溢れていないというのが国土交通省の定義です。但し、私たちが会話で川が溢れた状況のこと、水害がおきていることを「洪水」と言っても間違いではありません。

 

「外水氾濫」「内水氾濫」の仕組み

<「外水氾濫」「内水氾濫」>

【氾濫(はん濫)】
 氾濫とは、川などの水が溢れ出ることを言います。

 氾濫には「外水(がいすい)氾濫」と「内水(ないすい)氾濫」の2種類があります。

【外水氾濫】
 川の水が溢れることを言います。

【内水氾濫】
 大量の雨が降り、街に降った雨水を下水道が流しきれなくて街に溢れて街がつかる状況です。マンホールや排水溝から水が吹き出している映像を時折みますがアレのことです。

 自分が住んでいるところの水害リスク(外水氾濫、内水氾濫など)は、自治体が作成しているハザードマップを見ればわかります。

 今住んでいる家のリスク、これから借りよう(買おう)としている家・土地のリスクは、必ずハザードマップで確認するようにして、対策を考えておいてください。

 そして豪雨などで水害が発生しそうな場合は、行政機関やメディアの情報、気象庁のHPの「キキクル」で、状況を確認してください。

 「まだ大丈夫」ではなく、「危ないかも」と思った段階で早めに避難してください。

    ◇

 被災地取材やNPO研究員の立場などから学んだ防災の知識や知恵を、コラム形式でつづります。

■五十嵐 信裕
 東京都出身。1990年メ~テレ入社、東日本大震災では被災地でANN現地デスクを経験。報道局防災担当部長や防災特番『池上彰と考える!巨大自然災害から命を守れ』プロデューサーなどを経て、現ニュースデスク。防災関係のNPOの特別研究員や愛知県防災減災カレッジのメディア講座講師も務め、防災・減災報道のあり方について取材と発信を続ける。日本災害情報学会・会員 防災士。

 

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