不審者対策に進化系さすまた「ケルベロス」市役所に“刃物男”が火をつけ職員が負傷、他自治体の対策は

2024年7月18日 20:27

16日、愛知県の高浜市役所で刃物を持った男が火をつけるなどし、職員3人がけがをした事件。職員が現場で使った「さすまた」に、注目が集まっています。

 16日午後3時ごろ。高浜市役所で62歳の男が持っていた刃物で職員を威嚇。その後、男は可燃性の液体を自らかぶって火をつけました。

 警察によりますと、男に対応した職員ら3人がけがをしたということです。こうした役所への来庁者による事件は過去にも起きています。

 名古屋市の名東区役所では、2020年、当時74歳の男が、庁舎内で男性職員(当時44歳)を包丁で刺す殺人未遂事件が発生しました。

 名東区役所では、4年前の事件後、さまざまな対策がとられたといいます。

 「(職員を刺した男は)ここの出入り口から入って職員に向かっていったということがあったので、ここの扉をきちんと設置して外部の方が入らないように対策をとりました」(名東区役所民生こども課 加藤俊雄 課長補佐)

 

刃物から身を守るための防護盾

防護盾、チョッキ、手袋は職員の手の届く場所に

 職員が働く執務室エリアの出入り口には「鍵つき」の扉が。

「何気なく置いているカレンダーだと思うんですが、実はこれも防犯備品になっていまして、盾になっているので、殴られそうになったり刃物で襲われそうになった時は防御できるものになっています」(名東区役所民生こども課 加藤俊雄 課長補佐)

 他にも、刃物から身を守るための防護盾やチョッキ、手袋などが職員のすぐ手の届く場所に置かれるようになりました。

「どこか不安があっても対策取れていないところがあったので、事件をきっかけに対応をとれたことが安心につながっています」(名東区役所民生こども課 加藤俊雄 課長補佐)

 

進化系さすまた「ケルベロス」

不審者を抑え続ける“進化系”さすまた

 そして…今回の事件でも注目されたのが、職員が使った「さすまた」。不審者対策として、自治体庁舎や学校などに配備されています。

 しかし、さすまたは不審者を抑え続ける必要があるため、助けが来るまでは、その場を離れられないという弱点もあります。

 そんな弱点をカバーする、進化系のさすまたも登場しています。その名も「ケルベロス」です。

 この「ケルベロス」を押し当てると、ベルトが相手に巻き付き、自由を奪います。自分で外すのが難しい仕組みになっているので、相手を抑えつけたあとに、逃げる隙もできます。

 高浜市役所での事件の後には、製造会社に愛知県内をはじめ全国の自治体から問い合わせが相次いでいるということです。

 自治体などで進む「不審者対策」。こうした装備の充実だけでなく、職員が訓練を繰り返すことも重要だといいます。

「年に1回は少なくともやっているんですが、区役所は人が入れ替わるので、毎年毎年やっていかないと、事件が風化して教訓がいかせないので、区役所は、小さなお子さんを連れた親御さんや高齢の方や障害がある方、様々なお客さんが来られるので、そういった方が安心してご利用できる環境を整備していくことができたかなと思います」(名東区役所民生こども課 加藤俊雄 課長補佐)

 

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