「本物のようなデザイン」偽の映画祭HPに関係者は困惑 無断掲載ですでに問い合わせも…その目的は?

2024年8月23日 16:54

「名古屋国際映画祭」と書かれたホームぺージ。しかしこの映画祭、実は存在しないイベントなんです。ホームページ内では無断でシアターの画像などが掲載されていて、映画関係者は困惑しています。

 「非常によくできているなと。ちょっと驚きはありましたね」(シネマスコーレ・木全純治代表)

 名古屋駅のすぐそば、40年以上の歴史がある老舗ミニシアター、「シネマスコーレ」の代表、木全純治さん。

 木全さんが「驚いた」という理由――

 それは、インターネット上に突如現れたホームページです。

 その名も「名古屋国際映画祭」。

 来年1月3日から5日に開催が予定されていると書かれていますが――

 「全く存在しません。架空です」(木全代表)

 

シネマスコーレ 木全純治代表

無断掲載のHPに困惑も

 ホームページ内には、このシネマスコーレの館内や、舞台あいさつの写真なども掲載されていますが、シネマスコーレが許可したものではないといいます。

 Q.連絡はきていない
 「偽サイトだから当然。写真は2年前の舞台あいさつの写真が中心なのですが、映画館や建物の画像とか、そういうものが使われていて、しかしシネマスコーレの名前は入っていない」(木全代表)

 木全代表が全く知らないと話す映画監督やアートディレクターの名前が並び、いかにも”ホンモノ”の映画祭があるかのようなデザインのホームページ。

 一体誰が、何のためにこのページを作ったのでしょうか。

 

映画監督・俳優 森岡龍さん

映画の出品料をだまし取る目的か

 ホームページ内には、「応募規定」として、作品の出品ルールが日本語と英語で書かれていました。

 木全代表は、「映画の出品料をだまし取る目的があったのでは?」と推測しています。

 シアターを訪れていた、映画の作り手にも話を聞くと――

 「僕も普段役者をやったり、映画制作をしている立場なので。こういう架空の映画祭が、これからの夢を持っている若い映画作家とか、出品料が取られて、実際にない映画祭に出品料だけ取られるようなことが起きると、非常にまずい」(映画監督・俳優 森岡龍さん)

 

架空の映画祭のHP※現在はアクセス不可

HPを見た人から問い合わせも…

 「名古屋国際映画祭」をかたる謎のホームページ。

  現在は見ることができなくなっていますが、シネマスコーレには、ホームページを見た人から、すでに問い合わせがきています。

 「きのう電話が1本かかってきて、『その映画祭に参加したい』という内容だった。ちょっと聞いていないと思ったので、『責任者だが、多分それ何かの間違いじゃないですか』というふうに答えたところ、『実はこういうふうにHPもあって、連絡先になっている』と聞いた」(シネマスコーレ 坪井篤史支配人)

 

詐欺被害に遭わないよう注意を呼び掛ける

架空イベントに騙されないように注意を

 シネマスコーレは、「名古屋国際映画祭」は架空のイベントで一切関係がないとして、詐欺の被害に遭わないよう注意を呼び掛けています。

 「非常に新しい手口というか、本当に注意しなければいけない出来事が起こったと思う。シネマスコーレで起こった、本当に身近で起こる。みなさんの身近に起こる可能性が十分あるので、大変かどうかは言ってられなくて。それにどう対処したらいいかという、1つの出来事が起こったので、こちらもしっかり対応していきたい」(木全代表)

 

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