「鼻に液体を噴霧」インフルエンザ予防接種 今季から2歳~18歳までを対象に使用開始 

2024年10月3日 21:33

去年の今ごろは、学級閉鎖になる学校が相次ぐなど、早くから流行したインフルエンザ。今シーズンの流行はいつ頃なのでしょうか。また、ワクチンにも新たな動きがあるようです。

 3日の東海3県は、各地で本降りの雨となり気温が上がりませんでした。

 「きょうは少し寒い感じ」(80代)

 体調に、違和感を覚える人も。

 「子どもがアレルギーで、鼻がぐずぐずしている」(40代)

 「朝方は冷えるので、体がだるいときがある」(50代)

 この寒暖差で体調の管理が気になるところ。

 

今年のインフルエンザの患者数は去年の約8分の1

インフルエンザが去年より低い水準に

 毎年秋から冬にかけて注意したいのが、インフルエンザです。

 ただ今年の患者数は、去年と比べると低い水準となっています。

 去年のこの時期、名古屋市に報告された患者数は定点あたり約8.37人。

 一方、今年は定点あたり約1.11人で、去年の約8分の1です。

 「今シーズンは暑い日が続いていましたし、手足口病、他の患者も多かった。昨シーズンのインフルエンザの免疫を持った人が一定数いたことが今シーズン少ない要因」(名古屋市健康福祉局 感染症対策課 近藤良祐課長補佐)

 去年5月に新型コロナが5類に移行したことで、マスクの着用などが個人の判断になるなど、感染対策が緩くなったことも影響しているようです。

 

東海3県の学級閉鎖の数(9月~)

子どもの間で感染が広がり始める

 去年ほどの勢いはないとはいえ、9月から子どもの間で感染が広がり始めています。

 東海3県では愛知県で名古屋市内を含めて小学校9校、岐阜県では小学校3校・保育園1園、三重県では四日市市の小学校1校が学級閉鎖になりました。

 「各学校には教育員会と連携し、手洗いの要望を8月末に出しています。去年9月、学校閉鎖が多かったことで、昔よりも早め早めに通知を出している」(近藤課長補佐)

 

名古屋市健康福祉局 感染症対策課 近藤良祐課長補佐

今から感染症対策をすることが重要

 来月から流行期となるインフルエンザ。

 名古屋市は今から感染症対策をすることを呼びかけています。

 「感染した人のせきやくしゃみによる飛沫感染、汚染されたドアノブなどからの接触感染がありますので、手洗いをしっかりしていただき、人が多く出入りするところへの不要不急の外出は避けていただく」(近藤課長補佐)

 

 名古屋市西区にある「みわた小児科」では、3日からインフルエンザの予防接種が始まりました。

 インフルエンザの予防接種には3日だけで50人ほどの予約があるといいます。

 Q.初日で50人は多いか少ないか
 「予約枠に対して、まだいっぱいの状況ではないので、予約取りにくいという状況にはなっていないです。今週の土曜日の予約はいっぱいなので、たくさんの患者さんが打とうと準備されているなと感じる」(みわた小児科 三輪田俊介医師)

 

来院者

 来院者に聞いてみると多くの人が予防接種の予約をとっていました。

 Q.ワクチン接種の予約は
 「もう予約しました、10月の終わりに」(来院者)

 Q.家族で
 「受けます」(来院者)

 「夏にいろいろな病気にかかった。ヘルパンギーナとかアデノウイルスにかかったので、今年は早めに打とうと思っている。自分もかかったので今年は絶対打とうと思っている」(来院者)

 

みわた小児科 三輪田俊介医師

感染が増える時期は?

 9月上旬に“流行入り”した去年とは違い、いまのところインフルエンザの感染者数は落ち着いていますが、三輪田先生は例年通り12月ごろから感染が増えるのではないかと警鐘を鳴らします。

 「寒くなってインフルエンザの患者は増えている印象はある。当院でも先週1週間で5人。今週でもう3人の方がインフルエンザと診断されている。おそらく今年も12月または1月ごろから、流行のピークが来ると思うので。10月から12月の間に、ワクチン接種をしてもらって、流行に備えることが大切」(三輪田医師)

 

今シーズンから、鼻に噴霧するワクチンが実用化

今シーズンから新しいワクチンが登場

 さらに今シーズンから、2歳から18歳までを対象とした注射ではなく鼻に噴霧するタイプのインフルエンザワクチンが実用化されます。

 「『フルミスト』という鼻から液体を噴霧して、免疫をつけるワクチンが始まる。針がすごく苦手な子がいる中で、鼻からの摂取で1回で済むというのが今回の新しいワクチンになる。必ず患者さんの負担を、ある程度は取ってくれるものになるんじゃないかと考えています」(三輪田医師)

 

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