東海地方注目のドラ1候補 愛工大・中村優斗と成長支えた大親友

2024年10月10日 19:07

プロ野球ドラフト会議まであと2週間。切磋琢磨してきた仲間と運命の瞬間を待つドラフト1位候補、その素顔に迫ります。

愛知工業大学 中村優斗投手

「自分の中でドラフト1位で行きたいという気持ちはぶらさずにやってきた」(愛知工業大学 中村優斗投手)
 
 今年注目のドラフト1位候補ピッチャー愛知工業大学4年・中村優斗投手。

 一躍脚光を浴びたのは今年2月。大学生ながら飛び級で侍ジャパンのトップチームに選出。

「去年12月の代表合宿で見た時、初球から154キロを投げて、その後もどんどん球速が上がっていった。プロでもなかなか平均150キロを投げられる人は少ない。十分、大学生でもプロの中に入ってやっていける力がある」(侍ジャパン 井端弘和監督)
 
 侍ジャパン・井端監督が見込んだ通り3月の強化試合では最速157キロをマークするなど欧州代表を圧倒するピッチング。
 
 その後、球速は最速159キロまでアップし、プロ12球団すべてに注目される存在となりました。

「この1年は人生で一番濃い時間を過ごしていると思うので、自分自身の人生においていい経験になると思いながら過ごしている」(中村投手)

 

中村投手は"ドМ(負けず嫌い)"

性格は"ドМ"

 出身の長崎から愛知にやってきて3年半。身長176センチと決して大柄ではないものの、急成長を見せた理由のひとつが、大学生になってから始めたウェートトレーニング。高校時代の145キロから球速は14キロもアップしました。

「ウェートトレーニングはどれだけキツくてもやりますし、身体が疲れていても、やりきれていなかったらまだまだ追い込んだりする」(中村投手)
 
 すべてのメニューが終わるとこの通り、放心状態。

「性格はドМですね。ドМですけど、結構負けず嫌い」
Q.じゃあドМの"М"は、負けず嫌いの"М"ですね
「そうですね。ド“負けず嫌い”ですね」 (中村投手)

 

インタビューに挑戦する松本投手と中村投手

急成長の裏には…

 そんな中村投手の負けず嫌いに、拍車をかける存在が。
 
 同級生で春日井市出身の松本樹紀投手。チーム随一の筋トレマニアです。

「松本が170kgの重りでデッドリフトが5回できたので、自分はそれより重い180kgで5回やった。ちょっとした重量だけど負けたくない」(中村投手)

 入学した時から気づけば2人はいつも一緒。

「一番びっくりしたのは、プロテインを飲むシェーカーに生卵を入れて直飲みする」(中村投手)

「映画のロッキーがすごい好きで、ロッキーが朝起きて卵を飲んでいたので自分もやってみようと思って」(松本投手)

「『ヤバいやん』って言ったら『栄養第一、味は二の次』とか言いだして…」(中村投手)

 ちょっぴり天然の松本投手を中村投手が優しく受けて止めています。

 

愛知工業大学 松本樹紀投手

2人の原点はウェートルーム

 寮の中にあるウェートルーム、2人が多くの時間を過ごした原点です。

「このベンチプレスが一番の思い出。どっちが先に100kgあげられるかを競っていた」(松本投手)
 
 トレーニングについて熱心に学ぶ松本投手の姿に影響を受け、中村投手もその知識を吸収するように。

 情報交換を重ね、集めたサプリやプロテインの知識量こそ、2人が切磋琢磨してきた何よりの証です。

「今の自分があるのは松本ありきだと思いますね」(中村投手)

「ありがたいですね、普段こういうことは言わないので恥ずかしいですけど。存在としては、カッコいいというか憧れの存在ですね。球速が速いっていうのは球場の人を盛り上げることができるひとつの武器なので、カッコいいと思うし自分が野球をやめたいと思った時も励ましてくれて、そういった人間性も含めて憧れる存在」(松本投手)

 

中村投手(左)と松本投手(右)

親友の想いを背負って…

 大黒柱としてチームをひっぱる中村投手。その一方で松本投手は思うような結果を残せず目指していたプロの道を諦めることに。来年春から一般企業へ就職します。

「(中村投手からは)『野球やれよ、まっちゃんならできるよ』って言われたんですけど、最後は自分で決めた。自分の道なので」(松本投手)
 
 憧れてきた「プロ野球選手」という夢は大好きな親友に託しました。

「中村投手がソフトバンクに行くなら、自分も福岡に配属されたい。見に行きたいですね、試合を」(松本投手)
 
 3月の侍ジャパントップチーム招集など、中村投手が過ごしてきた特別な1年もいよいよクライマックス。まだ脚光を浴びる前の1月、こんな目標を掲げていました。

「ドラフト1位でプロに行くことが今年の目標です」(中村投手)

 あれから9カ月。

「まだまだ自分の力を発揮できていないので、どう評価されるかは分からないけど、自分の中で絶対ドラフト1位で行きたいという気持ちはぶらさずにやってきたので、残りの期間も自分の悔いなくやり切りたい」(中村投手)

(10月10日放送 メ~テレ『ドデスカ+』「じもスポ!」コーナーより)

 

これまでに入っているニュース