「どこに住んでいるの?」女子中学生に届いたDM…スマホめぐるトラブル避けるためにできること
2024年10月12日 14:05
低年齢化が進むスマホデビュー。SNSなどをきっかけに、子どもがトラブルに巻き込まれるケースが増えています。子どもを被害者にさせないために、必要な対策を取材しました。
Q.1日にスマホを触る時間は
「2~3時間くらい」(小学6年生)
「寝るまでずっとやっているよね」(母親)
「時間が決まっているから、夜9時までって」(小学6年生)
「家に帰ってからは夜中までやっている。全部合わせると、10時間以上はやっている。ベッドに入った瞬間(触っている)」(小学6年生)
子ども家庭庁が去年実施した調査によると、10歳以上の小学生から高校生までの7割以上がスマホを使ってインターネットを利用していると回答しました。
このうち1日に平均5時間以上インターネットを利用するという回答が高校生で54%、小学生でも24%に上ります。
SNSをきっかけに犯罪被害にあった小学生の数は、統計史上過去最多に
スマホの使用で予期せぬトラブルに…
子どもはスマホの使用で予期せぬ事件やトラブルに巻き込まれる可能性があります。
去年、SNSをきっかけに犯罪被害にあった小学生は139人。
警察庁の統計史上、過去最多だということです。
「課金はしてはダメと怒られる。してはダメなんだろうなと思っている」(小学6年生)
「SNS関連のアプリなどを(親から)制限されて、入れないようにして、(事件などに)巻き込まれないように線引きはしている」(中学3年)
DMで個人情報を引き出されそうになった中学生も
家族間のルールでは防げないケースも
スマホの利用について、多くは、家族間のルールなどでトラブルを防いでいると思いますが、中にはこんなケースも――
「TikTokで知り合った人に、個人情報を引き出されるようなDM(ダイレクトメッセージ)をされて、怖い思いをしました」(中学1年)
愛知県の中学校に通う13歳の女子生徒は、同じ愛知県に住むとされる人物から1日に何度もメッセージが送られてきたといいます。
「始めは『こんにちは』のあいさつで来るから、危険なのかとか怖いかは、よくまだ分からない状態。それから自分がDMをOKしたら、あいさつを1回交わして、そうしたらどんどん、どこに住んでいるのとか、個人情報を聞き出されるような感じにどんどん変わっていく」(中学1年)
身の危険を感じるような文面のDMが届く
身の危険を感じる文面
彼女に届いたDMの一部をみると一見、自然な会話のようにも見えましたが――
よく見ると、彼女が身の危険を感じるような文面が読み取れます。
彼女はメッセージのやり取りをブロックし、事なきを得ました。
「始めはネッ友(ネット友だち)として接しようと思って、仲良くなろうと思ったんですけど。個人情報をすごく聞き出されたり、年齢とかいろいろ聞き出されて怖かったです」(中学1年)
SNSが事件関与のきっかけになることも
SNSが犯罪に巻き込まれるきっかけに…
SNSなどをきっかけに子どもが犯罪に巻き込まれるケースは後を絶ちません。
警察によりますと去年、名古屋市内で発生した強盗未遂事件で逮捕された10代の男はSNS上の闇バイトの求人が、事件関与のきっかけとみられています。
今年6月には愛知県内の16歳の女子高校生がSNSで知り合ったとみられる兵庫県内の男に、車に監禁される事件がありました。
愛知県警では、10月から自動で警告文を送るプログラムを導入
SNS犯罪を防ぐために、警察が取り組んでいることは
こうした犯罪を防ぐために愛知県警が取り組んでいるのが、SNS上の不適切なメッセージへの警告です。
今月からSNS上で犯罪に勧誘しているような投稿に対して、警察から自動で警告文を送るプログラムを導入しました。
「警察で警告することによって、そういった投稿が9割ぐらいはなくなっている。犯罪に手を染める機会を減らすということには効果があると思う」(愛知県警 生活安全総務課 中込光雄次長)
安心安全インターネット塾 勝野祐子代表理事
私たちにできることは?
こうした取り組み以外にも、私たちにできることがあります。
ITの専門知識を生かしてインターネットの安全な利用を呼び掛けている勝野祐子さんです。
「(ネットは)世界が広がるっていう意味では子どもにとっていいと思うが、正しさや安全な情報をどうやって選択していくのかというと、親の助けなしには無理だと思います」(安心安全インターネット塾 勝野祐子代表理事)
保護者の責務
保護者が子どもに関わることが大事
親の助けの参考になるのが15年前に作られた「青少年インターネット環境整備法」です。
勝野さんは法律上の保護者の責務として以下の3点を挙げます。
・ネットに有害情報があると理解
・利用の管理、使い方を教える
・契約時に青少年の使用を自己申告
また、子どもにスマホを持たせる上で、危険なサイトへの接触を避けるフィルタリングなどの対策に加えて、最後は保護者が子どもに関わってあげることが大事だといいます。
「補導されたり、加害者になったり。被害にあったりするほとんどのお子さんは(家庭内の)ルールがない、フィルタリングの設定もしていないお子さんです。裏を返せば、それをちゃんとやれば大丈夫というふうに自信を持って保護者は頑張ってほしいと思います」(勝野代表理事)