秋でも「2日目カレー」は食中毒リスク シチューや煮物も要注意 涼しくなっても常温放置NG
2024年11月14日 16:50
この時期も食中毒に注意が必要です。「2日目のカレー」に食中毒リスク。シチューや煮物も要注意。この時期に必要な食中毒対策とは?
名古屋市緑区にある「小さな台所 穂の花」。手作りのおにぎりやお弁当、総菜などを販売しています。
毎日いろいろな種類のおかずが食べられる地元の人に愛されるお弁当屋さんです。
厨房での様子を見せてもらうと――
「ボウルは水分を拭きとってからアルコールをかけて、1分ほど置かないと菌が死なない。使うときに拭きとる。まな板の色分けをしている。生ものは緑。黄色は火を通したものを使っています」(小さな台所 穂の花 福島紫乃さん)
扱う食材や作業内容が変わるたびに手袋を交換します。
さらに揚げ物の温度にも――
「普通だと75℃で揚がってから芯温を測るが、うちは80℃まで揚げてから測るようにしています。唐揚げを揚げて芯温を測っている最中。83℃、84℃なので芯まで火が通った」(福島さん)
子どもから高齢者まで、さまざまな人に提供するお弁当。
1年を通して、食中毒対策には最新の注意を払っています。
「お客さんが食事に行った所で、レタスを食べてそれがあたり入院した。大変な思いをしたと聞き、気をつけないといけないと感じました」(福島さん)
ノロウイルス 出典:名古屋市衛生研究所
ノロウイルス流行シーズンの注意点
暑い時期と比べるとこの時期、油断しがちな食中毒対策。
私たちが、家庭で行うべき食中毒対策とは――
まずは、買い物する際のポイントです。
「生肉や生魚から出た汁が、サラダ用の野菜など他の食品にがつかないよう配慮して詰める」(名古屋市保健所 食品衛生課 中居慎吾さん)
また、買い物をしたら寄り道をせず、まっすぐ帰って食品を冷蔵庫に保管してほしいということです。
そして、調理をする際などの注意ポイントです。
「これからの季節だと、ノロウイルスによる食中毒が流行し始める時期になります」(中居さん)
食品衛生課によると、ノロウイルスは、感染した人が触った食品経由で他の人に感染させるケース、またノロウイルスを体内に蓄積したカキなどの2枚貝を加熱不十分な状態で食べたときなどに感染するケースがあげられます。
「食品を取り扱う人の健康管理と徹底した手洗いを気を付けていただきたい。二枚貝は中心までしっかり加熱。目安としては、85℃以上で90秒以上」(中居さん)
名古屋市保健所 食品衛生課 中居慎吾さん
厄介な特徴をもつウェルシュ菌
また、これからの時期、暖かい煮込み料理を食べる機会が増えていきます。
中には「2日目のほうが味が染みておいしい」と言う人もいますが「2日目カレー」には、食中毒リスクが――
農林水産省もSNSで「煮込み料理をたくさん作った時はウェルシュ菌 による食中毒に注意」と呼びかけています。
ウェルシュ菌は酸素が少ない環境を好み、主にカレーやシチューなど大量に作った煮込み料理で増殖する細菌だということです。
このウェルシュ菌の厄介な特徴が――
「殺菌してもウェルシュ菌は熱に強い芽胞という状態になることがあって、芽胞だと100℃で何時間加熱しても生き残る場合も。食品を加熱しなかったり再加熱が不十分で食べるとウェルシュ菌による食中毒が起こるケースもあります」(中居さん)
これからの時期、暖房で室内が暖かくなるため、食べきれない場合は小分けにしてすぐに冷蔵保存することや、再加熱する場合は全体をかき混ぜながらしっかり加熱することが大切です。
「基本的に細菌が増殖しやすい温度が20℃~50℃と言われています。涼しくなっても常温放置は避けていただきたい」(中居さん)