早朝に現れるサンタ 交通安全呼びかけ子どもたちの笑顔を守る 裏には「後継者不足」
2024年12月25日 17:58
愛知県岡崎市では、一風変わった“サンタさん”の目撃情報が寄せられています。なんと「後継者不足」に悩んでいるといいます。
愛知県岡崎市。早朝の民家から、サンタクロース姿の人が出てきました。道路沿いで「交通安全」と書かれたうちわを見せています。
「毎朝6時半から8時半前後、この時期に、この格好で子どもたちや自動車に乗っている人に『行ってらっしゃい』と話しています」
金原照夫さん(76)は”子どもたちの笑顔を守りたい”という思いから、サンタの恰好で10年以上、この時期ほぼ毎日沿道に立ち、地元の人や通学する子どもたちに挨拶や声かけをしています。
サンタ姿の金原さんに街の人はーー
「気さくな方なので防犯にもつながるし、子どもたちにとっても和みやすい存在だなと思う」(近隣住人)
「子どもが朝学校に行くときに見てくれるので、安心して預けて『じゃあね~』って言ってくれるので、いいと思います」(小学生の保護者)
地域の見守り役として親しまれています。
交通安全指導員 金原照夫さん(76)
サンタクロースの正体は…
しかし、別の日に金原さんを尋ねると制服姿に。実は45年以上に渡り、交通安全指導員としても活動しているんです。
交通指導員は自治体によっては「有償」の「非常勤の公務員」として採用されるケースもありますが、岡崎市における交通安全指導員は、地元の交通安全協会で登録され、無償で活動しています。
実は、本業はカメラマン。18歳から始めて今も現役で活動しています。この日は市内のこども園で、餅をつく子どもたちを撮影しました。
「子どもたちの楽しい顔が元気100倍になりますのでいいですね」(金原さん)
さらにボランティアでは、サンタ姿で訪れた市内の小学校の児童に、学校やPTAが用意した文房具やお菓子などを配りました。
冬休みを迎えるにあたり、交通安全の呼びかけも欠かせません。
「外に出る時に車に気を付けて、冬休み楽しく遊びたいなと思いました」(プレゼントを受け取った児童)
岡崎市内の交通安全指導員の人数と平均年齢
「後継者不足」に直面
一方で、交通安全指導員は後継者不足に直面しているといいます。
地元の交通安全協会によりますと、岡崎市内の「交通安全指導員」の人数は減少傾向で、平均年齢は毎年約1歳ずつ上昇しています。
金原さんは子どもたちの安全を守るために、若い人にも参加して欲しいと話します。
「若い人でもこなせると思うけど、若い人は時間がない。仕事が忙しいとかで大変だと思うんですけど、どなたかやってくださると助かります。私は今まで通り、交通事故が無くなるように、地域の犯罪がなくなるように頑張りたい」(金原さん)