花壇に埋められた動物の頭…誰が何のため? 犯罪心理学者の出口保行さんが分析

2025年1月24日 14:31

岐阜県関市の住宅の花壇に、キツネの頭が埋められていました。だれが何の目的でこんな不気味なことをしたのか…。犯罪心理学の専門家に分析してもらいました。

岐阜県警の関警察署

「今までなかったから、想像もつかない」「ちょっと気味が悪いと思っている」(周辺に住む人)

 警察によりますと1月21日、関市小瀬にある住宅で花壇の土の一部が盛り上がっているのを住人が見つけました。

 土から出てきたのは、重さ約1.2kgの右前足のついたホンドキツネの頭だということです。いったい誰が何のためにやったのでしょうか…。

「自分の力を歪んだ形で誇示しようとしている。そのような特徴があると考えられる」と語るのは、犯罪心理学者で東京未来大学教授の出口保行さん。

Q.犯人のどういった心理状態が伺える?

「犯罪の種類から言えば、愉快犯の一種だと思う。花壇に動物の死骸を埋めるという不気味な行動をすることによって、住民に強い不安を与える自分に喜びを感じていると思う」(出口教授)

 キツネの頭部を花壇に埋めるという不気味な行動には、こんな心理が…。

「背景には、自分が社会の中で認められていないという思いが強い。このようなことをすることで、自分の存在を認めさせたいというゆがんだ自己顕示欲があると思う」(出口教授)

 

犯罪心理学者の出口保行・東京未来大学教授

隣市の小学校ではシカの頭、2件の関連は

 関市によると、キツネは市の北部に多く生息しているそうです。最近では空き家をねぐらにしていたキツネが確認されたといいます。

 今回キツネの頭部が見つかったのは関市ですが、1月9日には直線距離にして約3km、美濃市の小学校の花壇でもシカの頭部が埋められていました。

Q.2週間ほど前には小学校で鹿の頭部が見つかっているが、これは同一犯?

「基本的には同一犯の犯行だと思っている。距離が非常に近い。その中で同種の事件が起きてくると、物理的に距離が近いところで、何件も同じような事件が起きてくるのが愉快犯の特徴」(出口教授)

「このような事件は、エスカレート型の事件になる。1回目・2回目と実行して、さらに自分に強い刺激を得ようとする。強い刺激をなるべく早く得たいと思う。短時間で、またさらに強い刺激を得るような行動に出ると考えられる。本人たちは途中まで『いたずら』で成り立つかもしれないと思っている人が多い」(出口教授)

Q.近隣に住んでいる方は本当に不安な日々だと思うが、どんなことに気を付けて過ごせばいい?

「住んでいるエリアの中で、不審な行動をする人や不審な人を見かけたという情報が集まるかで変わってくる。それが社会の監視の目にもつながっていく。気付いたことがあれば、最寄りの警察に情報提供する。これを心掛けてもらいたい」(出口教授)

 

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