人気過熱「ポケモンカード」偽造品に注意を レアカードは数百万円で取引、AIも判別困難

2024年8月16日 18:53
いまや子どもから大人まで、幅広い世代に愛されている「ポケモンカードゲーム」。人気の裏で、希少価値の高いカードのニセモノが出回り、トラブルも相次いでいます。 

幅広い年代に親しまれている「ポケモンカード」

 「1年くらい家族でやっている」「バトルが楽しい。技を使うところ」(家族連れの客)

 「頭を使ったり難しい動きができて、そういうのがうまくいくと気持ちいい」(男性客)

 ゲームソフト「ポケットモンスター」の世界観を対戦型カードゲームにした、通称「ポケカ」。

 毎年、世界大会が開かれるなど、子どもから大人まで幅広い年齢に親しまれています。
 

ポケカの人気に伴い「中古市場」が活発に

「中古市場」で取引が活発に
 ランダムにカードが入ったパックは、数百円ほど。

 希少価値の高い「レアカード」を狙い、大量に購入する人もいるなど、店によっては品薄になるほどの人気の過熱ぶりを見せています。

 それにともなって活発になってきたのが「中古市場」です。

 お目当てのカードを確実に手に入れられることから、値段が高くても需要があるといいます。

「リサイクルというか、売りに来た。今バブルでアタリ(高く売れるカード)があったらいいなと」(カードを売りに来た客)
 

AIによる「査定機」を導入

プロでも難しい査定、AIを導入
 名古屋市の中古カードを扱うお店にも、カードを売りに来る人が増えたといいます。

 そこで3月から、AIによる「査定機」を導入しました。

 数えきれないほどの種類のカード。それぞれの価格を決めるのはプロでも大変ですが、この機械はカードを通すだけで、名前や珍しさなどに基づいて買取価格がモニターに表示されます。

 「スピードも1枚1枚調べるのではなく、自動的に算出されるので短縮された」(買取王国港店 トレカ商品部 土屋拓巳さん)
 

窃盗被害に遭った店内(提供画像)

愛知県でカード窃盗事件、被害は400万円
 最近ではカードそのものの価値が高騰し、稀少なカードを中心に、1枚で数百万円から数千万円で取引されるケースも出てきました。

 こうした高額取引を背景に、カード自体をターゲットにした犯罪も増えています。

 今年2月、愛知県弥富市のカードショップでは、2人組によるレアカードの窃盗事件が発生。

 店の被害額は約400万円にのぼるといいます。
 

買取王国港店の土屋拓巳さん

偽造カードが105万円で販売
 他にも、カードの買取店を悩ませる事態が――。

 これはファンの間で人気が高いキャラクターが描かれたカード。実は、本物そっくりに作られた偽造品で、警察が押収しました。

 警察によりますと、この偽造されたカードは、ネットオークションで約105万円で販売されていました。

 高値がつくカードが偽造され、流通するようになったのです。

 「残念ながら、査定機では判別できない」(土屋さん)
 

偽造されたカードと本物のカード

偽造レアカード「材質が違った」
 精巧に偽造されたカードは、AI査定機でも見破るのが難しいのが現状です。

 実際に、偽造カードが買い取り窓口に持ち込まれたという別の店は――。

 「偽物のカード自体あることは知っていた。ついにうちの店にもきてしまったのか」(ポケモンカード専門店ゼロゼロニーゴウのスタッフ)

 5000枚ほどのカードの中に、まぎれていた3枚の“レアカード”。

 本物であれば販売価格が3万円にもなる高価なカードでしたが、違和感を覚えたといいます。

 「触った瞬間に、そもそも材質が違った。色味とか、そういうところをチェックしていくと、明らかに偽物だな」(ゼロゼロニーゴウのスタッフ)

 その後、警察に通報し、買い取りを拒否したといいます。
 

ネットで偽造品を購入してしまうケースも

ネット売買では危険も
 最近では、ネットオークションやフリマアプリでも売買されていますが、材質などを確認することができないうえ、安く販売されるカードもあり、なじみのない人が偽造品を購入してしまうケースがあるいいます。

 「困りますね。お子さんがほしいカードがあって、親御さんが偽物をつかまされてしまう可能性もあるし、そのカードが欲しくて買ったのに、実は偽物でしたというケースが多くなってしまう。金額も高いので損をしてしまうし、やめてほしい。できるだけ減ってほしい」(ゼロゼロニーゴウのスタッフ)
 

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