熾烈な争い・ドラゴンズ正捕手は? 捕手でドラOB矢野燿大さんが解説「正捕手に必要ものは」

2025年3月17日 14:03
ドラゴンズで最も激しい争いを見せている「正捕手」。4人の候補がひしめくなか守備の要は誰が担うのか。元ドラゴンズの捕手で阪神での監督経験もある矢野燿大さんに正捕手に求められるものについて解説していただきました。

ドラゴンズの正捕手候補

 矢野さんが正捕手の候補に挙げたのは4人。

 昨シーズンはキャッチャーとしてチーム最多の58試合にスタメン出場、ここ4年間の開幕マスクを務めている木下拓哉選手。

 昨シーズン40試合にスタメン出場。打率が3割超えと“打てるキャッチャー”の宇佐見真吾選手。

 強肩が魅力で昨シーズンはチーム1の盗塁阻止率を誇っている加藤匠馬選手。

 そして期待のドラフト4位ルーキー。三重県尾鷲市出身の石伊雄太選手です。

Q.4人の中で誰が正捕手になるか

矢野さん:
正直に言えばシーズン終わってからでないと見えないところはあるが、木下選手が多くマスクをかぶっていくことになるのでは。ただ木下選手は、課題である盗塁阻止率がカバーできていかないと出場試合数が増えていかないと思う。

矢野さん:
僕は阪神の監督時代、木下選手のバッティングがすごく嫌だった。いいところで打たれたりとか、そういうイメージがある。当時、ランナーを刺す素質も悪くなかった。

盗塁は、キャッチャーだけでなく、ピッチャーの責任もあるが、木下選手の場合、フットワークの衰えがあると思う。肩だけでなく足をしっかり使うことができていければ盗塁阻止率はもっと上がってくるのでは。

Q.新人の石伊選手は

矢野さん:
やっぱり肩がいい。めちゃくちゃいい。球を取ってからの安定感も速さもあるし。守りの部分では不安はないので、経験さえ積んでいけばレギュラーに近いキャッチャーになっていける存在だと思う。
 

元中日捕手・元阪神監督 矢野燿大さん

正捕手に必要なのは「コミュニケーション」
 現役時代はキャッチャーとして活躍された矢野さん。正捕手に必要なものは何かと聞かれるとーー

矢野さん:
やはりキャッチャーはピッチャーに勝たせるというのが大きな仕事だと思うが、負けても『このキャッチャーで負けたのか、このキャッチャーで負けたら仕方がない』と思わせるのが、勝たせるキャッチャーより大事な要素かなと思う。

優勝するチームでも年間で60敗以上する。例え負けても”意味のある負け方”=いつも準備とかコミュニケーションとか、いろんなことができているキャッチャーがいいと思う。そういうところで視野を広く保てていたり、負けてもこいつだったら仕方がないと思える準備をしてくれる。そんなキャッチャーが理想。

Q.やはりコミュニケーションが大事?

矢野さん:
大事ですね。キャッチャーにとってピッチャーは旦那さん。わがままな人とか自分勝手な人とかいろいろいるので、そういうのを手のひらで転がしながら、時には尻をたたきながら、時にはのせながら色々コミュニケーションを取ったり食事をしながらお互いの事を知り合う、そんな時間も大事。

キャッチャーのサインって自信がなかったらバレたりする。それがコミュニケーションを取っていると、こういう意味なんだなってわかりあえてサインに信頼が生まれる。それが”自信のあるボール”に変わっていくので、コミュニケーションって大事だと思う。
 
やはり正捕手がいるチームは強い?
Q.例えば、めちゃくちゃ緊張したりプレッシャーを感じてうまくボールを投げられなくなってしまったりとかする時、どういう風に声かけたりするか

矢野さん:
『変えられることと変えられないことがあるよ。緊張は変えられないから受けとめていくぞ』とか。今やっていることをうまく受け止めながら次どうするかということですね

Q.やはり正捕手がいるチームは強いのか

矢野さん:
正捕手がいるチームは結果的に強いし安定している。それはつまり、ずばぬけたキャッチャーがいるから結果的に固定になる。ただ今の時代、僕はキャッチャーは併用でいいと思う。今年のドラゴンズはまだキャッチャーは固定しにくいかな。だから、木下選手を中心に石伊選手らをどんどん使っていくようなシーズンになるのかなと思う。切磋琢磨しながら良いドラゴンズを作り上げていく。それが一番。

(3月17日放送メ~テレ『ドデスカ!』より)
 

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