ウナギのサイズが特大に!?その秘密は「大豆のチカラ」 愛知の産地の取り組み

2023年7月25日 19:15
30日は「土用の丑の日」です。近ごろは「ウナギは高くて手が出ない」なんて方も多いのではないでしょうか。そんな中、エサを変えることで養殖ウナギのサイズを大きくしようという取り組みが、愛知県で進んでいます。

「炭焼うな富士」

 名古屋駅の近くにある「炭焼うな富士」。

 肉厚で脂が乗った希少な青ウナギを使用し、高温の炭火でパリッと焼き上げたウナギが特徴で、この時期は平日でも1日約400人のお客さんが来店するといいます。

 店内は「息子の初任給が入ったので食べようということ来た」「今まで食べた中で1番おいしい」などと話す人がいて、にぎわっていました。

 しかし「スーパーに行ってウナギを食べようと思ったら少し高くなった」という声も。

 稚魚の不漁などの影響でウナギの価格は値上がりが続いています。

 こちらのお店では、米の価格高騰などもあり6月から「上うなぎ丼」を4840円から5170円に値上げしました。

 「ちょっとしたご褒美のときに食べるって感じで、無理してでも食べようかなと思います」(大阪からの来店客)
 

市場価格が1割ほど高く

ウナギの値上がり続く中…産地での取り組みで使うのは「白い粉」?
 「一色うなぎ」の産地として知られる、愛知県西尾市。

 土用の丑の日を前に一色うなぎも出荷の最盛期を迎えていて、ウナギを大きさで選別する作業が行われていました。

 一色うなぎ漁業協同組合によると、養殖に欠かせないシラスウナギの不漁で、2023年は市場価格が2022年に比べて1割ほど高くなっているということです。

 一色うなぎ漁業協同組合の鈴木健太さんは「ウナギは生態が分かっていない部分が多く、完全養殖はまだ難しい。シラスウナギの減少に対して、いろいろな機関が対策を行っている」と話します。
 

エサに「大豆イソフラボン」

 そうしたなか、一色うなぎ漁協で行っている取り組み。

 40万匹ほどのウナギを養殖している養殖場、秘密は「白い粉」にあります。

 一色うなぎ漁業協同組合の渡辺裕司さんによると「エサに『大豆イソフラボン』を混ぜることで変化が起こる」ということです。
 

「大豆イソフラボン」での力でメスに

エサに「大豆イソフラボン」でシラスウナギがメスになる?
 一色うなぎ漁業協同組合によると、シラスウナギは成長する過程で性別が決まります。

 詳しい理由はわかっていませんが、養殖だと8割以上がオスになるといいます。

 オスのウナギは、大きく成長すると身が硬くなり味が落ちてしまうため、多くが重さ200~250gで出荷されています。

 「大豆イソフラボン」には女性ホルモンと似た作用があり「大豆イソフラボン」を混ぜたエサを食べることで、ほとんどのシラスウナギがメスになったといいます。

 「一般的にメスになると身の質がやわらかい、オスに比べてやわらかいです。メスの方が一般的にオスよりも大きくなるので、食べる部分が多くなったりはすると思います」(一色うなぎ漁業協同組合 渡辺裕司さん)
 

特大ウナギに

 一般的なウナギは約250gで、特大ウナギは約400gになります。

 「蒲焼き」にして比べてみても、その差は歴然でした。

 大豆のチカラで、おいしさそのまま、大きさは倍に。

 3年目を迎えた一色うなぎ漁業協同組合のこの取り組み、食卓に届くようになるのはまだ先だそうですが「大型のウナギなので流通が少ないです。市場の需要をしっかり確認して、販売形態を考えていって対応していきたい」ということです。

(7月25日 15:40~放送 メ~テレ『アップ!』より)
 

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