防犯と保育両立の難題 キーワードは「そういえば…」専門家に聞く“不審者対策”

2023年10月20日 09:12
先週、愛知県安城市のこども園に刃物を持った男が侵入する事件がありました。こういった事件から子どもを守るためにはどうすれば良いのでしょうか?専門家は「そういえば…」が大切だと指摘します。
 名古屋市内の保育園です。こちらでは、不審者の侵入に対して、どのような対策をとっているのでしょうか。

 約300人の園児が通う「中村保育園」。

 「安城で事件が起きたということを、皆で再認識した。当園で何ができるかを、もう一度皆で確認しました」(中村保育園 保育士 吉安健さん)

 防犯上、重要になってくるのが出入り口の管理です。

 「中村保育園」には、南側の左右に2カ所の出入り口があります。

 出入り口1は、登園が終われば、施錠し、日中は完全に閉めます。
 
 しかし、もう一方の出入り口2については、この園ならではの事情がありました。

 「お寺の門と保育園の出入り口を兼ねた入り口です」(保育士 吉安さん)

 「中村保育園」は、寺の敷地内にあります。

 こちらの出入り口は、寺や墓参りに訪れる人の通用門も兼ねているため、日中、完全に閉めることができないといいます。
 
寺の敷地内にある保育園の不審者対策は
 Q.隣のお寺から常に出入りができるが、対策はどうしている?(上坂嵩アナ)
 「お客さんが来た時に、1階にいる保育士の先生たちが対応する」(保育士 吉安さん)

 Q.お寺側の門から入ってきた時は、まずは声をかける?(上坂アナ)
 「そうですね。あいさつをして、何の御用か声をかける。園に用事がある人もいれば、寺に用事がある人もいるので」(保育士 吉安さん)

 さらに、園には、防犯カメラが複数台設置されていて、職員が人の出入りや不審者がいないかどうかなどを常に、リアルタイムでチェックしています。

 「保育園の方も施錠をしてくれているが、不審者が来られてしまうと、なかなか対処のしようがない。対応が難しいところがある」(保護者)
 
犯罪が起きる前兆に注意
 保育施設の防犯対策について、専門家は「犯罪が起きる前兆」に注意が必要だと指摘します。

 キーワードは「そういえば…」です。

「だいたい大きな事件が起きた後は『そういえばあそこに人がいた』、『そういえばあそこに長時間車があった』ということがある。いきなり園に入るより、その前段階でうろうろしている。調べてから侵入することが多い」(体験型安全教育支援機構 清永奈穂 代表理事)
 
「6・3・2の法則がある」
 「そういえば…」に事前に気づくにはどうすれば良いのでしょうか?

 「6・3・2の法則がある」(清永 代表理事) 

 過去の事件を分析して編み出した法則で、半年に6回、不審者情報が出たら”要注意”。

 1カ月に3回になったら、”見回りを強化”する。

 1週間に2回になったら、いつ犯罪が起きてもおかしくない状態に。

 それぞれの段階に進む前に、見知らぬ人への声かけやパトロールなどの対策が必要ですが、これには地域の協力が不可欠だといいます。

 「まず近所を味方につけるのが必要。園の周りの情報を地域の人はよく知っている。地域が守るよというような心を持って園の先生たちと一緒に、子どもたちの命を守っていただきたいと思っています」(清永 代表理事)

 (10月19日 15:40~放送 メ~テレ『ドデスカ!+』より)
 

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