ボウリング日本一の工業高校に廃部の危機! ブーム去り練習場の店舗が年内閉店、支配人自ら存続へ奮闘

2023年11月9日 16:53
名古屋に、高校日本一のボウリング部があります。そんな全国大会連覇を目指すボウリング部に、ある危機が――。部員たちと、閉店するボウリング場との絆に迫ります。

名古屋工業高校 ボウリング部 主将 宮丸銀侍選手

 とある工業高校の実習。

 「手順通りに配線をつないで、ちゃんと動くかという実験をしています。難しいことをやって達成するのが好き」

 手際よく作業するこの高校3年生。

 その正体は――

 名古屋工業高校ボウリング部のキャプテン、宮丸銀侍選手です。

 2022年12月、「ボウリングの甲子園」と呼ばれる高校対抗の全国大会で活躍。
 
 チームを日本一に導いた高校ナンバーワンボウラーです。

 両手投げから繰り出す思い切りの良い投球を武器に、ハイスコアは公式戦で278。練習ではパーフェクトの300をマークしたこともあります。
 

スポルト名古屋(名古屋・中区)

創部した12年前から愛用するボウリング場
 授業後――

 「ボウリングの球です。30kgぐらい」(名古屋工業高校 ボウリング部 宮丸銀侍選手)

 マイボール3つを持って向かった先は、名古屋市内のボウリング場「スポルト名古屋」。

 ここで、週に3回部活動を行っています。

 「違う練習場にはない安心感がある」(宮丸銀侍選手)
 
 創部した12年前から名古屋工業ボウリング部が愛用してきたこの練習場。

 実は――
 
 「なくなるのは悲しい…」(宮丸銀侍選手)
 

50年の歴史に幕

スポルト名古屋が今年で閉店
 1970年代に起きた空前のボウリングブーム。

 かつては全国で3700近くあったボウリング場ですが、老朽化などが原因で閉店が相次ぎ、現在はピーク時の5分の1以下に。

 ブーム時にオープンしたスポルト名古屋も、今年いっぱいをもって、50年の歴史に幕を閉じることとなりました。
 

スポルト名古屋 専属プロボウラー 野々山路可さん

技術だけでなく、戦略も重要なボウリング
 現在、部員が19人いる名古屋工業ボウリング部。

 彼らを指導する一人が、野々山路可さん。スポルト名古屋の専属プロボウラーなんです。

 技術だけでなく、戦略も重要なボウリング。

 例えば、レーンに敷かれたオイル。ボールの曲がり方とスピードに大きく影響しますが、実は大会ごとに塗られる量や長さが違うんです。

 そのため、使うボールの種類や投げ方を考えることが必要になります。

 野々山さんはレーンコンディションに合わせたアドバイスをするなど、チームの頭脳として、サポートしてきました。

 「試合前に一緒に戦略を練ってくれるので、本当に助かっている」(宮丸銀侍選手)
 「私は裏方というか、後ろから支える役割。お母さんというか、親せきのおばちゃん」(スポルト名古屋 専属プロボウラー 野々山路可さん)
 

スポルト名古屋 支配人 森部信行さん

廃部の危機を救ったのは…
 スポルト名古屋専属プロボウラー指導のもと、2022年高校日本一となった名古屋工業。 

 もう一人の恩人が、支配人・森部信行さんです。

 部活動価格で練習場を提供してくれています。

 「学業とスポーツの両立をコントロールして、マジメに部活動として活動している学校も少ないので、すごいなと感心している。今までずっと頑張っている姿を見てきて、そのメンバーが全国1位になってすごく感動した」(スポルト名古屋 支配人 森部信行さん)

 さらに、森部さんは来年以降の活動場所をあっせん。

 ただでさえボウリング場が減少する中、同じ条件で部活動ができる場所を紹介し、廃部の危機を救ってくれました。

 「ボウリングをずっと頑張っているので、何とかボウラーとして、続けてもうらために紹介した」(森部信行さん)
 

「ボウリングの甲子園」で連覇へ

連覇が最高の恩返し
 常に名古屋工業の味方でいてくれるスポルト名古屋。 

 「ここがなければ今の僕らはないので、ずっと感謝をしている」(宮丸銀侍選手) 

 この場所で練習できるのも残りわずか1カ月半。見据えるのは、最高の恩返し。12月に行われる高校最高峰の戦い「ボウリングの甲子園」での連覇です。

 「欲を言えば2連覇という形で成績を残してもらえれば」(森部信行さん)
 「もちろん一番上を見たいけど、いろんなことを学んで帰ってきてほしい」(野々山路可さん)
 「プロボウラーともみんなとも離れてしまうので、日々練習して連覇を目指したいと思います」(宮丸銀侍選手)

 (11月9日15:40~放送 メ~テレ『ドデスカ!+』じもスポ!コーナーより)
 

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