パリ五輪目指す"平均台のシンデレラ" 趣味は映えスイーツづくり 三重の高校3年生

2023年11月30日 17:46
謎の靴下を大量に集め、プロ顔負けの映えスイーツを作っちゃう! 10cmしかない足場で華麗に舞う平均台で、日本初の快挙を達成した三重の高校生。夢のパリオリンピックを目指すシンデレラに迫ります。

相好体操クラブの岡村真選手(三重県津市出身)

 たくさんの個性的な靴下を集め、おちゃめな表情を見せる高校3年生。

「見かけたら買っちゃう。ありすぎて買わないようにしています(笑)。たまっていっちゃうから」(岡村真選手)

 その正体は――

 来年のパリオリンピック出場を目指す、相好体操クラブの岡村真(まな)選手(三重県津市出身)。

 今年、アジア大会に出場し、種目別平均台で日本人初の金メダルを獲得するなど、いま勢いに乗っている若手選手です。

「(メダルをもらった時は)すごく重いし、すごくうれしかったです」(岡村選手)
 

外村和才コーチ

「目的意識が高い選手」
 体操との出会いは7歳の頃。

 ロンドンオリンピックで金メダルを獲得した"レジェンド"内村航平さんの活躍に憧れたことがきっかけでした。

 中学時代には全国大会を制覇。この頃から、すでにパリオリンピック世代の有力選手として注目されていました。

 小学生の頃から約10年指導してきた外村和才コーチは、「岡村選手の強さの片鱗は、幼い頃から見えていた」と話します。

「すごく昔から、目的意識が高い選手だなって感じていて、何においても優先が体操っていう、そういうかじを切れるのが強いかな。それこそ、小学生の時に『あなたたちは世界で戦うために、今から体操するんだよ』って話をしたときに、翌日にはノートに『世界に行くためにはどういう練習をしたらいいですか? どういう技をしたらいいですか?』って書いてきたのは、今でも覚えていて」(外村コーチ)

 すべては、夢のオリンピック出場のために――
 

趣味のお菓子作り

表現力や芸術面で高い評価
 現在は親元を離れ、四日市にあるクラブの寮で生活しています。

「お母さんがお弁当を作って、1週間分くらい作ってくれて、(寮に)帰るときに持ってきてくれます」(岡村選手)

 週に一度のオフにハマっているのは、お菓子作り。

「結構見栄え重視なんで、インスタ映えしそうなやつを、こだわりっていうか作っています。工程が難しかったり、混ぜ具合とかで変わったりするんで、いろいろチャレンジしながら、いろんな作品を作るのが楽しい」(岡村選手)

 女子の体操は、ゆか・平均台・段違い平行棒・跳馬の4種目。なかでも岡村選手が得意とするのは――

「平均台が一番得意です。技も個性があると思うんですけど、振り付けの部分でも自分らしさっていうのが出せて、(幅が)10cmしかないっていうところで、余裕のある演技を出せるっていうのが格好良いと思います。自分でも」(岡村選手)

 その演技の美しさは、「平均台のシンデレラ」と呼ばれるほど。特に、表現力や芸術面で大きく評価されています。

「しなやかな柔らかさだったり、手の先から足先まできれいな演技を出せる体線っていうのは強みだと思いますね。すごくきれいな体操が見やすいかなとは思います」(外村コーチ)
 

「平均台のシンデレラ」と呼ばれる演技の美しさ

「自分らしい美しくきれいな体操で…」
 練習拠点としている四日市で行われた全国大会に、岡村選手の姿がありました。

 公式練習のこの日は、「蕎麦(そば)」の靴下でウォーミングアップ。3連続の大技を決め、会心の笑みを見せていましたが、実は先月、左ひざをけが。万全とは言えないコンディションでした。

「(技の難度を)少し抑えてやるので、安定した演技をするのが目標です」(岡村選手)

 そして迎えた、翌日の本番。世界で活躍する日本のトップ選手たちが集う中で、地元・三重の友だちや体操仲間の声援を背に、得意の平均台へ。

 序盤の見せ場、3連続の大技。3つ目の技を付けることができません。

 それでも、けがを感じさせない抜群の安定感と、指先まで美しい演技で観客を沸かせます。

 平均台の得点は2位。来年のオリンピック選考を見据え、決意を新たにする試合となりました。

「地元っていうのもあって、相好体操クラブの後輩たちが応援してくれたので、楽しくできたので良かったです。(体操を)始めた頃からオリンピックを目標に頑張っているので、自分らしい美しくきれいな体操で代表を勝ち取って、オリンピックを目標に頑張ります」(岡村選手)

(11月30日15:40~放送 メ~テレ『ドデスカ!+』「じもスポ!」コーナーより)
 

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