生活保護の引き下げは「違法」、国に賠償を命じる初判決 名古屋高裁

2023年11月30日 18:25
愛知県内の生活保護費の受給者が支給額引き下げの取り消しを求めた裁判の控訴審で、名古屋高等裁判所は、請求を棄却した1審判決を取り消すとともに国に賠償を命じる判決を言い渡しました。
 訴状などによりますと、厚生労働省は2013年から3年かけて、生活保護費を最大で10パーセント引き下げました。

 これについて愛知県内の受給者が引き下げは「最低限度の生活」を侵害するなどとして国に処分の取り消しと賠償を求めましたが、1審の名古屋地裁は請求を棄却し原告側が控訴していました。

 30日の判決で名古屋高裁は「減額は専門的知見などとの整合性を欠き、厚生労働大臣の裁量権の範囲を逸脱していることは明らかで、生活保護法に違反する」などとして引き下げを取り消すとともに、国に対し受給者13人にそれぞれ1万円の賠償を命じました。

 同様の訴訟で国に賠償を命じた判決は初めてです。
 

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