将来、実家を「空き家」にしないためにできること 老朽化進めば倒壊の恐れ

2024年2月8日 17:45
8日名古屋市で、持ち主のいない「空き家」の解体作業が始まりました。年々増加傾向にある「空き家」。老朽化が進むと倒壊などの恐れもあり問題となっています。
 名古屋市緑区の住宅街で長年放置されていた「空き家」。この空き家は3年ほど前、建物の破損が進み、倒壊などの危険性から放置することが不適切であると名古屋市が判断していました。

「トタン板がバタバタと釘が取れて大きい音はしていた」(近所の人)
「毎日危ないってことじゃなくて、風が強いとかそういう時にすごく危険な感じで、危険はなくなったので一安心、後の土地がどうなるのか」(近所の人)

 名古屋市では解体を促すため、空き家の持ち主を探していましたが結局見つからず、8日に名古屋市が代わりに解体することになりました。
 

名古屋市スポーツ市民局地域振興部鈴木さん

所有者が見つからない危険な空き家 
 倒壊の恐れがある、危険な空き家はここだけではありません。
 
 愛知県内には、こうした空き家(特定空家等)が去年8月の時点で約300戸あるといいます。

 解体などの対応が必要ですが、空き家の持ち主を探すだけでも、時間と手間がかかるといいます。

「所有者調査をしても、所有者が亡くなっていたり、放置されていたということからどなたが管理されているというのが分かりにくいケースが非常に多くあります。略式代執行を含む代執行というのは最終的な手段と考えているので、税金ということからどれでもすぐにできるということではないと思ってます」(名古屋市スポーツ市民局地域振興部 鈴木隆幸主幹)
 

NPO法人空家・空地管理センターの伊藤副理事

周辺の住環境に悪影響
 放置された空き家をなくすことを目的に全国で活動を行っているNPO法人空家・空地管理センターの伊藤雅一副理事は空き家があることで近隣への影響も指摘します。

「夏場になると雑草が伸びてしまうとかあとは枝。樹木の枝が伸びて自分の土地の方にはいってきているとか、ネズミなどの害獣が出たり、ごみが不法投棄されたりすることで景観が悪くなると保安上や衛生上有害な状態が増える」(NPO法人空家・空地管理センターの伊藤副理事)

 周囲に悪影響を及ぼす空き家を増やさないためにも、住宅の持ち主が責任を持つことが重要だといいます。

「日本人の資産の中で家や土地が一番大きな資産なので、うまく活用していかないと今後、先行き不透明な時代の中では悪い資産になってしまうので先に動いていただくのがいいかなと思う」(NPO法人空家・空地管理センターの伊藤副理事)
 

家族で早めの相談を

家族でできること
 今回、行政が略式代執行に踏み切ったのは持ち主のない空き家ですが、こうした空き家については今年4月から、改正された不動産登記法が施行され、相続登記が原則義務化されます。
 
 空き家を生まないためにできることをNPO法人 空家・空地管理センターの伊藤副理事に聞きました。

 実家が空き家になりうる事態に備えて、家族で早めに相談して、将来実家に住む可能性はあるのか、家を売ったり壊したりしてもいいか、などといった会話をしておき、「売る」「貸す」「壊す」などの選択を共有しておくことが大事だといいます。

(2月8日15:40~放送 メ~テレ『ドデスカ!+』より)
 

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