地震とお金の問題 民事上のもめごと 災害時は無料法律相談などを利用【暮らしの防災】
2024年4月28日 14:01
「家主が亡くなったので収入のあてがない」。能登半島地震の被災者が感じている「将来への不安」が具体化して、発生から時間が経つと「形」となってきます。心の問題に次いで被災者に重くのしかかってくるのが「お金」の問題です。
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※画像はイメージです
<すべては自分の判断>
多くの場合、国や県が考えた復旧・復興プランに従って手順を踏んで行けば、地震の前とまではいかないものの「ある程度のレベルの暮らし」に戻れる…などと言うことはありません。
これから、被災者は自分の考えに基づいて都度、判断して歩んでいかなければなりません。
長く厳しい道のりです。私たちがするべきことは、ボランティア活動、被災者の話を聞くこと(広義でのカウンセリング)、そして募金です。
これから、被災者は自分の考えに基づいて都度、判断して歩んでいかなければなりません。
長く厳しい道のりです。私たちがするべきことは、ボランティア活動、被災者の話を聞くこと(広義でのカウンセリング)、そして募金です。
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※画像はイメージです
<弁護士会の法律相談>
大規模災害では、地元の弁護士会が避難所で無料法律相談を行ったり、弁護士グループが仮設住宅を訪問し、家庭が直面している問題について相談に乗ったりします。
どんな相談を受けているのかと言うと…以下のような内容です。
・通帳やカードなしでも預金は引き出せるか
・遺産相続をどうすればいいか
・携帯電話料金の支払い期限の延長はできるか
・住宅ローンが残っているのに家が津波で流された
・ローンを払い続けなければならないのか
どれも切実な問題です。弁護士は、被災者が不利益を被らないように、
できる限りのアドバイスをするそうです。
どんな相談を受けているのかと言うと…以下のような内容です。
・通帳やカードなしでも預金は引き出せるか
・遺産相続をどうすればいいか
・携帯電話料金の支払い期限の延長はできるか
・住宅ローンが残っているのに家が津波で流された
・ローンを払い続けなければならないのか
どれも切実な問題です。弁護士は、被災者が不利益を被らないように、
できる限りのアドバイスをするそうです。
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地震で倒壊した家屋 石川県珠洲市
<災害ADR制度>
例えば、地震で家のブロック塀が壊れ、隣の家のガレージにとめてあった車を壊してしまったなどの民事トラブルが生じた場合、通常だと双方が弁護士を立てて話し合うか、話し合いがまとまらない場合は裁判所で争うことになります。
しかし、裁判の場合は時間とお金がかかります。
そこで、大災害時、特別に弁護士が仲立ちをして調停を行い、民事上のもめごとについて話し合いで解決をめざす「災害ADR制度」があります。
東日本大震災、熊本地震、その後の大水害などの時に運用され、実績を上げました。
災害ADRは裁判よりもスピードが速く、柔軟性のある解決ができます。
手続きは簡素化され弁護費用は普段より安いときもあります。
災害で何か困ったことが出てきたら、弁護士会の無料相談を活用することも考えてみてください。
私たちができることは、募金すること、ボランティア活動に参加すること。そして、被災者の方に声をかけることです。
お金の相談に乗ることはできなくても、一緒になって話すことで、お互いに分かり合えます。話を聞くだけでもいいかと思います。
被災した方と向き合う試みをしてみてください。
◇
被災地取材やNPO研究員の立場などから学んだ防災の知識や知恵を、コラム形式でつづります。
■五十嵐 信裕
東京都出身。1990年メ~テレ入社、東日本大震災では被災地でANN現地デスクを経験。報道局防災担当部長や防災特番『池上彰と考える!巨大自然災害から命を守れ』プロデューサーなどを経て、現ニュースデスク。防災関係のNPOの特別研究員や愛知県防災減災カレッジのメディア講座講師も務め、防災・減災報道のあり方について取材と発信を続ける。日本災害情報学会・会員 防災士。
しかし、裁判の場合は時間とお金がかかります。
そこで、大災害時、特別に弁護士が仲立ちをして調停を行い、民事上のもめごとについて話し合いで解決をめざす「災害ADR制度」があります。
東日本大震災、熊本地震、その後の大水害などの時に運用され、実績を上げました。
災害ADRは裁判よりもスピードが速く、柔軟性のある解決ができます。
手続きは簡素化され弁護費用は普段より安いときもあります。
災害で何か困ったことが出てきたら、弁護士会の無料相談を活用することも考えてみてください。
私たちができることは、募金すること、ボランティア活動に参加すること。そして、被災者の方に声をかけることです。
お金の相談に乗ることはできなくても、一緒になって話すことで、お互いに分かり合えます。話を聞くだけでもいいかと思います。
被災した方と向き合う試みをしてみてください。
◇
被災地取材やNPO研究員の立場などから学んだ防災の知識や知恵を、コラム形式でつづります。
■五十嵐 信裕
東京都出身。1990年メ~テレ入社、東日本大震災では被災地でANN現地デスクを経験。報道局防災担当部長や防災特番『池上彰と考える!巨大自然災害から命を守れ』プロデューサーなどを経て、現ニュースデスク。防災関係のNPOの特別研究員や愛知県防災減災カレッジのメディア講座講師も務め、防災・減災報道のあり方について取材と発信を続ける。日本災害情報学会・会員 防災士。
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