新手の特殊詐欺に注意!ビデオ通話でニセ「逮捕状」や「警察手帳」ちらつかせ現金だましとる手口  愛知県

2024年5月29日 18:05
特殊詐欺の新たな手口が確認されています。愛知県内で、今年3月以降、ビデオ通話で、偽の「逮捕状」を見せられ、現金をだまし取られる被害が相次いでいます。
非通知電話から始まるニセ警察官の巧妙な手口とは
「自分自身こういう立場になって思ったが、引っ掛かってしまうんだなと。なかなか手の込んだやり口で、だまされてしまったなという思い」(千種区在住の男性)
 こう話すのは、名古屋市千種区に住む32歳の会社員の男性です。

 ことの発端は5月13日。携帯電話に突然“非通知”でかかってきた「愛知県警の警察官」を名乗る男からの電話でした。

「逮捕された振り込め詐欺の犯人が反社で、あなたもその共犯者として疑われています」(愛知県警の警察官を名乗る男)

 男性は、反社会的勢力とのつながりはなく、「身に覚えがない」と返答。
 すると、今後は、事件を管轄する「栃木県警捜査2課の警察官」に引き継がれ、SNSのアカウントに招待されたといいます。


 

SNSで送られてきた男性の個人情報が書かれた逮捕状

ビデオ通話で警察手帳と偽逮捕状
 アカウント名は「捜査本部」で、アイコンには警察のシンボルマークが。

「向こうも身分を明かしたいという形でラインを登録してくれないかというような流れで、その後、ビデオ通話をしていくことになった」(千種区在住の男性)

 さらに、ビデオ通話の中で、男が提示してきたのは「警察手帳」と「逮捕状」でした。
 トーク画面に添付された「逮捕状」には、男性の名前や住所、生年月日が詳細に名記されていて、男性は、これが相手を警察官だと信じる決定打になったと話します。
 

実在しない栃木地方検察庁の表記

逮捕状を読み上げさせられる
「おそらく私の住所に関しては前から知っていた可能性が高い。個人情報が抜かれていた」(千種区在住の男性)

 ただ、よく見ると、「栃木地方検察庁」という実在しない機関の名前が書かれていたり、押印が「警視庁」になっていたりするなど、明らかに、デタラメな文書になっていることが分かりますが…。

「逮捕状を読み上げさせられるパートがある。ここの1~5まで読んでくれみたいなこと言われて音読をする。読み上げているときは言葉が詰まった。動揺もしていたし、逮捕されると思っていた」(千種区在住の男性)
 

現金61万円を送金してしまった

ニセ検察官も登場
 さらに、この後、「検察官」を名乗る男に引き継がれ…。

「お金の流れを調べたいので、お金を振り込んでください。容疑が晴れれば返金します。(検察官を名乗る男)

「資産調査」という名目で、現金を指定の口座に振り込むよう求められた男性は“捜査”に協力。

 男たちの指示通り、銀行口座から、現金61万円を送金してしまいました。

「個人情報が知られているというのは怖かったし、知られていることはいろいろ調査しないとわからないことだと思ったので、本当に巧妙かつ悪質な詐欺」(千種区在住の男性)
 

送金時に口座が凍結されていて、返金された

61万円が幸運にも返金されたが注意して生きていくしかない
 千種区の男性は、幸いなことに、現金を送金した時には、すでに振込先の口座は凍結されていたため、入金処理が行われず、後日、返金されたということですが、特殊詐欺の巧妙さを身もって体感したと振り返ります。

「基本的には(特殊詐欺が)なくなって欲しいが、なくならないと思うので、日々、注意して生きていくしかない」千種区在住の男性)
 

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