子どもが熱中症になった際に出す「SOSサイン」とは?熱中症対策を小児科医に聞く

2024年7月25日 16:08
子どもが熱中症になった時、発しているSOSサインがあるといいます。三重県の小児科医に教えてもらいました。

子どもの方が地面に近いため、体感温度が高い

 今月、愛知県で熱中症の疑いで救急搬送された人は 24日までに2105人、これは去年の同じ時期より多い数です。

 搬送者の多くは高齢者ですが、身長の低い子どもも要注意だといいます。

 サントリーとウエザーマップが共同で、身長170センチの大人と120センチの子どもの体感温度を調べました。

 子どもの方が地面に近く、照り返しを多く受けている事から、体感温度は子どもの方が高いと言われています。
 

体感温度は子どもの方が7℃以上高い

大人と子どもの体感温度は?
 では、どれくらい違うのでしょうか?

 温度の分かるサーモカメラで見てみると、子どもの方が赤くなっていました。

 この時の大人の体感温度は31.1℃、一方、子どもは38.2℃。

 その差は、なんと7℃以上もありました。
 

みたき総合病院 顧問・小児科部長 鈴木悟医師

子どもの熱中症サインとは
 小児医療の専門医である鈴木悟医師は、子どもの熱中症に関して見逃しがちな、あるサインがあるといいます。

 Q.保護者が見逃しやすい、子どもの熱中症サインは
 「外で遊んでいて、急に『足が痛い』と言ったときは、熱中症のサインかもしれない」(みたき総合病院 顧問・小児科部長 鈴木悟医師)

 Q.どうして足が痛くなるのか
 「汗をかくことによって、体の中の電解水であるナトリウム・カリウム・マグネシウムなどのバランスが崩れる。『足がつる』状況が、子どもには『足が痛い』という表現になる」(鈴木医師)
 

子どもの方が2~3倍、熱がこもりやすい

子どもの方が大人よりも熱がこもりやすい
 さらに鈴木医師によると、子どもは体温が上がりやすいため、熱中症と隣り合わせにいるといいます。

 「子どもは小さい体をしていて、体重当たりの体表面積が多い。外からの影響を受けて、どんどん熱が体に入ってしまう」(鈴木医師)

 例えば、体重50キロの大人と25キロの子どもでは、同じように動いていても、子どもの方が大人の2倍から3倍、熱がこもりやすいといいます。
 

汗腺の機能が未熟な子どもは、熱中症のリスクが高い

熱中症のリスクが高くなる子も…
 それに加えて、子どもの中には汗の線、汗腺の機能が未熟な子もいて、そういった子どもは、汗による体温調節が大人よりうまくできないため、その分、熱中症のリスクが高くなるそうです。

 さらに鈴木医師は、ベビーカーに乗っている赤ちゃんにも注意してほしいといいます。

 「ベビーカーは、転倒を防ぐため座面が低いものが流行した。座面が低いベビーカーは、地面からの輻射熱で危険。ベビーカーでの移動は、子どもが赤い顔になっていないか注意」(鈴木医師)
 

鈴木医師と島津咲苗メ~テレアナウンサー

水分補給が有効
 熱中症対策として有効なのは、水分補給。

 子どもには喉が渇く前から、こまめな水分を取らせることが大切だといいます。

 Q.熱中症になったときの対処法は
 「木陰に入って寝かせてあげる。ボタンなどを緩めて風が抜けるように。冷たい飲み物を持っていれば、首筋・脇の下・足の付け根など、太い血管が体の表面を走っているところに、冷たいものを当ててクーリングをするとよい」(鈴木医師)
 

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