電子レンジ「〇〇の加熱」はダメ! “時短調理”で思わぬ事故 秋から冬にかけて要注意

2024年9月30日 17:24
短い時間で、手軽に食品を温められる電子レンジなどの調理家電。正しい使い方を知らないと、思わぬ事故につながります。温かい料理が恋しくなるこれからの季節は、特に注意が必要です。
 いまや、毎日の調理に欠かせない「電子レンジ」。

 しかし、手軽さゆえに様々な食品を加熱してしまい事故につながるケースが後を絶ちません。

 例えば、お皿に乗せた生卵を電子レンジで温めると――

 扉が勢いよく開くほどの威力で破裂しました。

 こちらの女性は、レシピのサイトを見て、レンジで卵を加熱した経験があるそうです。

 「器に卵を割って水を入れて加熱したら、半熟した卵ができるみたいなのがあって、適当に入れていたら2回くらい爆発しちゃって、結構ヒヤっとしました」(18歳)

 電子レンジは、食材に含まれる水の分子をマイクロ波で振動させることで加熱する仕組みです。

 卵のように、殻や膜に覆われた食材の場合、内部の水分が加熱されて水蒸気となり、圧力が上昇しますが、逃げ場がないため、破裂する恐れがあります。

 この実験を行った製品評価技術基盤機構=NITE(ナイト)によりますと、こうした調理家電での事故は2019年からの5年間で494件発生。このうち4件が、死亡事故でした。
 

金属ワイヤーが入った帯から火花が発生 提供:製品評価技術基盤機構(NITE)

「破裂」以外にも危険な電子レンジの事故
 電子レンジの使用中に起きる事故は「破裂」だけではありません。
 
 中で散る、火花。

 よく見ると、パンから出ているのではなく袋を閉じるための、金属ワイヤーが入った帯からでした。

 電子レンジのマイクロ波は金属に反射して放電が発生し、火災などを引き起こす可能性があります。  

 「何がダメと分からなかったので、アルミホイルをやったときに火花がバチバチとなってビックリした。それで知るみたいな、ダメなんだって」(20代)
 「息子がアルミホイルをやって『ちょっとそれは違うよ』ってどかした」(80代)

 アルミホイルは、裏側に張られた場合も同様です。

 カップめんに水を入れて電子レンジで温めたところ――

 フタから火花が出て、容器に引火してしまいました。

 容器に「電子レンジの調理不可」などと記載されていないか、必ず確認するようにしましょう。
 

食品が加熱されると耐熱性の低い容器は、溶けてしまうことも 提供:製品評価技術基盤機構(NITE)

調理前に注意事項の確認を
 さらに――
 
 「プラスチックのトレーとか、火災にはなってないけど、ちょっと溶けた」(30代)

 また、食品が加熱されると耐熱性の低い容器は、溶けてしまうことがあります。

 水の入ったペットボトルをキャップをしたままレンジで温めると――

 容器が熱に耐えられず、変形していきます。さらに、ボトルの中の水が膨張し続け、扉が勢いよく開くほどの威力で破裂。

 最近は、レンジに対応したペットボトルもありますが、事前に必ず確認するようにしましょう。

 NITEによると、調理家電の事故は毎年、電子レンジが最も多く、IHコンロ、電気ケトルなどが続いています。  

 IHコンロでは、揚げ物モードを使用せずに、その場を離れ、発火してやけどしたケースなどがありました。

 過去5年間の調査では、調理家電の事故は、10月から12月にかけて多くなっていて、NITEは、調理前に説明書などを確認し、禁止されている容器や食品を加熱しないことや調理中は、その場を離れないようにすることを呼び掛けています。 
 

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