最低賃金引上げ、政治とカネ… 石破茂総理の所信表明、東海地方の人たちにどう響いた?

2024年10月4日 19:41
石破総理が4日、初めての所信表明を行いました。この地方の議員、そして名古屋の街の人はどう見たのでしょうか?

所信表明に臨む石破総理

 4日午後2時、衆議院本会議場に入った石破茂総理大臣。

 拍手で迎えられると、にこやかな表情で一礼して着席しました。

 総理就任後、初の所信表明にのぞみました。

「まずは政治資金問題などをめぐり、国民の政治不信を招いた事態について、深い反省とともに触れねばなりません。私は政治資金問題などにより失った国民の皆さまからの信頼を取り戻し、そしてすべての人に安心と安全をもたらす社会を実現してまいります」(石破総理大臣)
 

政治ジャーナリストの青山和弘氏

政治ジャーナリスト「政治とカネ、きわめて抽象的」
 「政治とカネ」問題への反省を述べた石破総理。

 演説内容について、政治ジャーナリストの青山和弘さんは「きわめて抽象的だった」と話します。

 「政策活動費は全廃するとか、裏金議員は公認しないとか、企業団体献金はもらわないとか、政治資金規正法を再改正するとか、そういうところに踏み込まず、単なる反省や『今後やります』という意欲の表明に終わった」(政治ジャーナリスト 青山和弘氏)
 

立憲民主党の松本守・ 愛知県議

野党の愛知県議「どうするかが見えない」
 一方、自民党と対峙する野党の地方議員は、今回の演説をどのように受け止めたのでしょうか。

 立憲民主党の愛知県議会・松本守議員は、問題に対し今後どのように向き合っていくのかが見えなかったといいます。

「(候補者の)公認問題が触れられずに、冒頭に“やりました感”を出すために、最初に持ってこられた。それは当たり前の話で、じゃあどうするというのが見えなかったのが少し残念」(松本守県議)
 

経済成長に向けた「賃上げ」の重要性を強調した石破総理

「賃上げ」の重要性について…
「物価上昇を上回る賃金上昇を定着させ、国民に『生活が確かに豊かになった』との思いを持っていただかないといけない」(石破総理)

 経済成長に向けた「賃上げ」の重要性も強調しましたが――。

「様々なかたちで所得が増えたことはいいのですが、所得・賃金を上げられない中小企業、90%以上の中小企業のみなさんが、賃上げできるような政策をとっていただかないと」(松本県議)

「安倍氏・菅氏・岸田氏と続いてきた経済政策の方向性になっている。石破氏がこれまで総裁選で主張してきた、もしくは総裁選の前から『こういうことをやりたい』と訴えてきたことが、ほとんど入っていない状況」(青山氏)
 

「石破カラーが封じられた」と語る青山氏

“石破カラー”は出たのか
 約30分間にわたり行われた、石破総理の所信表明。全体を通しての印象は――。

「いざふたを開けてみると、就任前に言っていた夫婦別姓の問題などに触れていなかった。わが党としては、がっぷり四つでいい戦いができると思っていたところ、少し残念だという印象」(松本県議)

「自民党内にいながら、自民党の問題点を厳しく批判や追及してきた。こうしたことが、石破さんにとって一番人気の源泉だったのに、今まで言ってきたことと現実とのはざまに悩んでいる。その中で、いわゆる現実をとっている。“石破カラー”が封じられた演説だったと思う」(青山さん)
 

「最低賃金の引き上げだけでは解決にならない」と話す会社員

最低賃金の引き上げ、若者は
 石破総理の所信表明に、街の人はどう思っているのでしょうか。

 関心が高い「最低賃金の引き上げ」について若者は――。

「それが実現できたらとてもありがたいが、パフォーマンスではないことを祈りたい」(大学生)

 一方で――。

「(最低賃金の平均が)1500円にあがったとしても、結局パートさんなどは“103万円の壁”があるので、これも同時に解決してもらわないと、結局働けないということになるのではないか」(40代会社員)

 また地方創生の交付金については――。

「うまくいけば一番いい。地震や集中豪雨で被害を受けているところを第一に、まっさきに動いてほしい」(80代)
 

「裏金問題のマイナスイメージがある」と語る会社員

裏金問題への対応には疑問の声も
 新政権に期待する声がある一方、裏金問題への対応には疑問の声が――。

「今までの問題をずるずると隠しごとにするところに、マイナスイメージがどうしても」(40代会社員)

「石破さん自体が、どちらかというと今までの自民党に反対の方だった。実際、総理になってみて分からないが、そういうところを期待したいですね」(40代会社員)
 

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