河村たかし名古屋市長が“最後の登庁日” 議会と最後までバトル、“河村節”で振り返った15年

2024年10月11日 19:47
衆院選に立候補する名古屋市の河村たかし市長(75)。11日が最後の登庁日でしたが、最後まで議会とバトルを繰り広げました。
 「総理を狙う男、アゲイン」(河村たかし市長)

 27日投開票の衆議院選挙で、政治団体「日本保守党」からの出馬を表明している名古屋市の河村たかし市長。

 9日、14日付の辞職届を議長に提出。11日の市議会で扱いが議論されることとなりました。

 「可決(同意)して喜んで送り出してくれる方がいいかもしれんけど、まあ、だめだろうね」(河村市長)

 そして11日の市議会では――。

 「極めて無責任。任期を残したまま『やりきった』と急いで退職しようとする河村市長の振る舞いは、職責放棄以外の何物でもありません」(自民党 成田隆行 市議)
 「突然市長の職を辞することに、果たして市民は納得しているのか。自分の都合しか考えない無責任な態度と言わざるを得ません」(名古屋民主 鵜飼春美 市議)

 「決算の審議中の辞職は無責任」などと強い反発があり、市議会は辞職に同意しませんでした。

 「残念だけども、(同意されなかったのは)当たり前。何をやってもたたかれる」(河村市長)

 最後まで「バトル」が続いた河村市長と市議会。

 河村市長は15日公示の衆院選に立候補を届け出て、自動失職となる見込みです。
 

臨時幹部会で感謝の言葉を述べる河村市長

贈られた花束をくわえるポーズも
 12日からの3連休明けに公示日を迎えるため、「市長」としては11日が最後の登庁となる見込みの河村市長。 午後にあった市の幹部会では、感謝のことばを口にしました。

 「変な市長を大事に大事にしてくれたか知りませんが、かわいがっていただいた。サンキューベリーマッチ」(河村市長)

 それに対して職員は――。

 「誠にありがとうございました。そしてお疲れ様でした。市長の話を聞けるのもきょうが最後で、若干、名残惜しゅうございますが…大変、名残惜しい…」(市職員)

 会の最後に、副市長3人から花束を渡された市長は――。

 花束をくわえるポーズ。

 「花はいいでしょ?」(河村市長)

 最後まで「河村節」を貫きました。
 

金メダルをかじった問題を振り返る河村市長

金メダル「あれは傷つきました」
 その後、報道陣の前には市長肝いりで東山動植物園への導入を進めた「コモドオオトカゲ」の人形を持って登場。

 「アイラブユー」(河村市長)
 
 改めてこの15年を振り返りました。
 
 Q.印象的な出来事は?(記者)
 「悪いことは極力、ハイボールで流すことにしている」(河村市長)

 Q.金メダル?(記者)
 「出来事はまぁ、それです。あれは傷つきました。私もいろいろ言っているけど」(河村市長)

 「寂しい気持ちはありますよ。でも表に出してはいけんのだわ。戦いで勝ち抜いていって、総理を狙う男もアゲイン&ファイナルです」(河村市長)
 

2009年に初当選した時の河村市長

河村市長の15年、市民はどうみる?
 河村市長が「庶民革命」を掲げて市長に初就任したのは2009年。

 15年あまりに及ぶ在任期間中には、市民税の減税や市長報酬の引き下げなどを行いました。

 その一方、議員報酬の引き下げなどをきっかけに議会とはたびたび対立。

 さらに――。

 「トリエンナーレ再開はとんでもない。『表現の自由』という名の暴力だ」

 のちに大量の署名偽造が発覚した「あいちトリエンナーレ」をめぐる大村知事への“リコール問題”へのかかわりや、表敬訪問に訪れたオリンピック選手の金メダルをかじるなど、振る舞いは様々な話題をよびました。

 また、公約に掲げていた「名古屋城の木造復元」もバリアフリーをめぐる課題が未解決のままで、いまだに実現のめどがたっていません。

 この15年を、市民はどうみたのでしょうか――。

 「(名古屋城の問題で)エレベーターを作らないというのは、今の時代に合わないというか、もうちょっと配慮が必要だったかなと」(60代)

 「子育てしている側からすると、他の市に比べて子育てについてすごく力を入れてくれているかなと。ありがとうという気持ちは強いです」(30代)

 「いろいろ問題があったが、それなりにやってもらえたかなと思います」(60代)
 

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