【衆院選2024】「愛知7区」区割り変更どう影響? 比例重複なしの自民前職に国民・共産の新人挑む

2024年10月21日 20:06
衆院選の「愛知7区」は、大府市、尾張旭市、豊明市、日進市、長久手市、東郷町が含まれ、約35万4000人の有権者がいます。過去、与野党が激しくぶつかり合ってきたこの選挙区、注目ポイントは「区割り変更」です。

愛知7区の候補者

 愛知7区には届け出順に、日野紗里亜氏(国民・新)、鈴木淳司氏(自民・前)、鈴木弘一氏(共産・新)の3人が立候補しています。
 

国民新人の日野紗里亜氏

子ども4人を育て「現役世代を代弁」日野氏
 「小さな声を、声なき声を国に届け、救っていかなければなりません」(日野紗里亜氏)

 国民民主党の新人・日野紗里亜氏(36)。

 小学4年の娘と小学2年の3つ子の息子、子ども4人の母親です。

 双子や三つ子などを育てる「多胎家庭」を支援する団体の代表理事などをこれまでに務めてきました。

 選挙に立候補するのは、初めてのことです。

 子育てと政治活動の両立。とまどうことも多いといいますが――。

 「子育て渦中の挑戦なので『自分の子どもはどうしているのか』など厳しい言葉をいただくこともある。そういった人が現職にいないのが現状。それをやらないと変わらないので頑張ります」(日野氏)

 今回から新たな区割りとなっている愛知7区。

 尾張旭市から大府市まで、南北に長い選挙区を「100本辻立ち」と名付け、課題の知名度アップに取り組みます。

 週末には、国民民主党の玉木雄一郎代表が選挙区に駆け付けました。

 「現役世代の代弁者。当事者として国会に現場の声を届ける活動をしてもらいたい。的を外さない、的に当てる、効果的な子育て政策をしてくれると期待しています」(玉木雄一郎代表)

 「すさまじい勢いで減っていくおむつとミルクの消費量に、恐怖を覚えた私だからこそ、子育てと仕事の両立にいつでも悩み、いつでも後ろ髪を引かれる私だからこそ、当事者として、私ごととしてつくれる政策があります」(日野氏)
 

自民前職の鈴木淳司氏

当選6回「原点に立ちかえる」鈴木淳司氏
 「今回は違う局面。『裏金問題』だと聞いたらダメだと思う。言葉で聞くと。それを言っても仕方がないから、謙虚にやろうと思っている」(自民・前 鈴木淳司氏)

 自民党の前職・鈴木淳司氏(66)。当選6回のベテランです。

 去年9月、総務大臣として初入閣を果たしましたが、その後、政治資金収支報告書への不記載60万円が発覚し、12月には総務大臣を辞任する事態に。

 今回の選挙戦、自民党から公認は得たものの「比例重複」は認められず。小選挙区で負ければ、落選となります。

 「申し訳なかった。心からおわびをしながら、もう一度この機会に原点に立ちかえり、信頼がいただけるように全力で頑張っていく」(鈴木淳司氏)

 さらに区割り見直しにより、自身の生まれ故郷であり、地盤でもあった瀬戸市が愛知7区から外れることに。

 日進市に拠点を移して、選挙戦に挑むこととなりました。

 Q.瀬戸市を離れる寂しさはあった?
 「それは当然ある。瀬戸市は原点だから。ありがたいことにいろんな面で、応援やメッセージをいただく。選挙区から瀬戸市がなくなったことは大きいが、すべてを失ったわけではない。温かい地域もたくさんあるので、それはそれで大事にしていたい」(鈴木淳司氏)

 今回の選挙戦、国と地元との連携によるインフラや公共交通整備をしてきた実績などを訴えます。

 「人口が減っていく中でも、しっかりやっていける国をつくっていく。これが政治の責任。政治は強いものをつくるのではない。すべてが豊かになるための、そのまた先をつくっていくことをやっていく。しっかりとこの国を再生したい」(鈴木淳司氏)
 

共産新人の鈴木弘一氏

奨学金に苦労「学費引き下げ」鈴木弘一氏
 「愛知7区は『裏金議員のいる選挙区だ』と注目されている。この地域から裏金政治は一掃しようではありませんか」(共産・新 鈴木弘一氏)

 共産党の新人、鈴木弘一氏(49)。

 今回の選挙区割りにより、愛知7区で「最も有権者の多い自治体」となった日進市を地盤としています。

 2019年、そして去年行われた日進市の市議会議員選挙ではいずれも落選していますが、国政選挙への初挑戦で当選を目指します。

 「交通の便の良さ、名古屋市と豊田市の真ん中にあって、住みやすく子育てもしやすいと聞いて引っ越してきたが、実際は住んでみると、車があれば生活できるが不便だし、待機児童がいる自治体も多い。そういう保護者の声も聞く。現代世代にとっては、働いているときはよいが、余生を過ごすとなると、車がないと生活できない地域」(鈴木弘一氏)

 新聞販売店で働きながら奨学金を受け取り、大学・大学院に通いましたが、学費が高額だったことから博士課程への道を断念した過去があります。

 街頭では、こうした経験から大学の入学金廃止や授業料半減などを訴えます。

 「自分自身も6年間で450万円の奨学金を借りて苦労した経験がある。将来、借金を背負わせて社会に若い人たちがマイナスの状態から出発するのは、重荷になるので何としても解消したい。高すぎる学費を引き下げて、将来の夢に向かって思う存分学べる環境をつくっていきたいと思っています」(鈴木弘一氏)
 

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