【衆院選2024】自民党の”裏金事件”に揺れた「愛知3区」、5人立候補

2024年10月24日 19:56
「愛知3区」は、名古屋市の昭和区・緑区・天白区が含まれる選挙区で、約41万7000人の有権者がいます。去年、自民党の”裏金事件”に揺れたこの選挙区。5人が立候補しています。

愛知3区は5人が立候補

 自民党派閥の政治資金パーティーをめぐる“裏金問題”。

 東海地方では、刑事事件にまで発展しました。

 愛知3区を地盤にし、前回の衆院選では比例で復活当選した自民党の前衆院議員、池田佳隆被告。

 2018年から2022年までの間に派閥から受け取ったとされる約4800万円について、収支報告書に記載をしなかった政治資金規正法違反の罪で今年1月、起訴されました。

 “裏金問題”をめぐり、国会議員として唯一の逮捕者が出た愛知3区。

 今回は5人が立候補しています。
 

自民・新 水野良彦氏

キャリアを捨てて政治の世界に
「『右公認する』という5文字。自分が決断したことの大きさを感じたかな」(自民・新 水野良彦氏)

 前議員の逮捕・起訴を受け、愛知3区の新たな候補者として自民党から擁立された新人、水野良彦氏(50)。

 30年近く、経済産業省などで官僚として働いてきましたが、行政とのかかわりの中で政治にしかできないことがあると感じ、キャリアを捨てて政治の世界に飛び込みました。
 

自民・新 水野良彦氏

「信頼回復」と「経済再生」
「(愛知第3選挙区支部長の)前任が起こした政治資金の不祥事についておわび申し上げたい。誠に申し訳ございませんでした」(水野氏)

 街頭演説は、まず「おわび」から。

 限られた時間に支援を求め、毎日のように関係団体へのあいさつ回りを行ってきました。

「私がどういう人間なのか人となりを知ってもらうのが重要かな」(水野氏)

Q.引き継ぎなどはある?
「池田さんは会ったこともない」(水野氏)

 失った政治への「信頼回復」と、官僚としての経験をいかした「経済再生」が2大テーマだといいます。

「経済の担い手を育成する。子育て支援や教育費用の削減とか。皆さんの所得を上げる、手取りを増やす、これについても注力したい」(水野氏)
 

維新・新 皆川雅一氏

「教育無償化を全国各地で広げる」
「教育の改革、まずひとつとして教育無償化を全国各地で広げる」(維新・新 皆川雅一氏)

 日本維新の会の新人、皆川雅一氏(43)。

 生命保険会社でライフプランナーとして働く中で、教育費やセカンドライフに悩む、働く世代の声を国に届けたいと、政治家を志しました。

「少し街頭演説行います。きょうもがんばります」(皆川氏)

「インスタライブをこまめにやっている。(視聴者は)1人でもいらっしゃればありがたいこと」(皆川氏)
 

維新・新 皆川雅一氏

「自身も学び、そして国を変えていく」
 「やりたいと思ったらまずやってみる」性格だという皆川氏。

 ボディービルに取り組んでいたことも。

「トレーニングをやってきたから、こうやって活動の中でも体力があって朝から晩まで走り回れる」(皆川氏)

 精力的に訴えるのは、教育無償化やペットの殺処分をなくすことなどです。

「民間感覚の目線でみなさんと一緒の思い、僕も泥臭い仕事をやってきたので、つらい仕事も共感できる。現場の声というのは僕が一番よく知ってると思うので、一人ひとりのお言葉を頂戴しながら僕自身も学び、そして国を変えていく」(皆川氏)
 

参政・新 杉本純子氏

主婦から政治の世界へ
「私は本当に普通の一般の主婦であります。日本の国民を第一優先にした政治をするべきではないか。素人の私が見てもそれが今なされていない。だからこそ私は勇気を出して、この戦いに挑みたいと思いました」(参政・新 杉本純子氏)

 参政党の新人、杉本純子氏(47)。

 夫の仕事を手伝いながら主婦をしていましたが、新型コロナに対する国の政策に関して疑念を抱いたことをきっかけに、政治の世界を志したといいます。

「企業などからお金をもらってしまうと、そこに利権やしがらみが生まれてしまう。そうすると私たちの本当にやりたいこと、強い思いを、忖度して言えなくなってしまう」(杉本氏)
 

参政・新 杉本純子氏

党員は日々ボランティア活動
 2020年に結党した参政党。党員は日々ボランティアで活動しています。

 党の決起集会には約200人が集まり、寄付を募る姿がみられました。

「お金に大変クリーンなので、やりやすい。国民が一生懸命働いて税金を納めているのに、政治家は特別なのか、それはおかしいと訴えれば共感してもらえると思う」(杉本氏)
 

諸派・新 大橋享氏

ドタバタの選挙、たすきなど再利用
 諸派の新人、大橋享氏(59)。

 去年設立された政治団体「日本保守党」の党員です。

「皆さんが投票されたその自民党は、納得できるような政策・政治をしてきたでしょうか」(諸派・新 大橋享氏)

 去年の愛知県議選に、地域政党「減税日本」から出馬するも落選。

 今回は準備期間の短いドタバタの選挙のため、当時使った「たすき」などにテープを貼って再利用しています。

「いま後ろにある旗など前回の選挙に使ったものを、たすきも実は減税日本と書いてある。(テープを)貼っているだけ」(大橋氏)
 

諸派・新 大橋享氏

減税と再エネ賦課金の廃止を訴える
 大橋氏が訴えるのは、減税と再エネ賦課金の廃止です。

「日本を豊かに強く、豊かに体力をつけるためにはまず減税。減税をすれば皆さんの購買力が必ず上がる。そうすれば物が売れる、企業は力がつく。もう一つはエネルギー。再エネ賦課金は無駄なお金だと思う。日本には優秀な火力発電所があるのにそれを無視しているような政治、それではだめ」(大橋氏)
 

立憲・前 近藤昭一氏

比例復活も含めて9回連続当選
「まっとうな政治を取り戻す。(政治の役割は)命を守り、生活を支えること」(立憲・前 近藤昭一氏)

 立憲民主党の前職、近藤昭一氏(66)。

 1996年の初当選から、比例復活も含めて9回連続当選。

 環境副大臣などを歴任してきました。
 

立憲・前 近藤昭一氏

街頭に立ってきた数は3000回近く
 “裏金問題”に揺れた愛知3区。

 過去何度も争ってきたライバルが去っても、戦い方は変わりません。

「相手の候補に投票した人もすべての人のために働くというのが、その選挙区で選ばれた政治家の役割。政治の信頼を取り戻すという意味で大事な選挙区だと思っている」(近藤氏)

 約30年にわたる政治活動のなかで、近藤氏が街頭に立ってきた数は3000回近くにのぼるといいます。

「私が元々政治の世界に入ったときの思いは、今から31年前、あの時も政治とカネの問題だった。それを残念ながら未だに続けさせてしまっているという自己反省と、続けている自民党政治への怒り。政党助成金という制度もできたわけですから、より透明性が高い仕組みにして、その中でしっかりやっていくということだと思う」(近藤氏)
 

これまでに入っているニュース

もっと見る

これまでのニュースを配信中