【岐阜県知事選】20年ぶりの新人対決 古田知事がやり残した課題は…人口減少対策どうする?

2025年1月9日 17:56
岐阜県知事選挙が9日告示されました。古田知事の引退に伴い、20年ぶりに新たな知事が決まる選挙で新人2人の一騎打ちの構図となっています。

新人2人の一騎打ちの構図に

 9日告示された岐阜県知事選挙には、これまで届け出順に元内閣府大臣官房審議官の江崎禎英 氏(60)産業カウンセラーの和田玲子 氏(64)の2人が立候補しています。

「安心して働ける、楽しく働ける、それを岐阜県で実現することによって多くの人が集まり人口が増える」(江崎禎英 氏)

「リニア中央新幹線や木曽川導水路計画を1日も早く止めて、岐阜県の環境、そして財政の見直しをしていきたい」(和田玲子 氏)

 今回の岐阜県知事選挙は、現在5期目の現職、古田知事が今期で引退するため、行われます。

 新人同士の対決は20年ぶりとなります。
 

「清流の国ぎふ」をPR

「岐阜県の知名度アップ」に力を入れてきた古田知事
 岐阜県知事として歴代最長となる5期20年を振り返ると…。

「(就任当時は)財政運営の基盤づくりに非常に時間を費やした。そこのベースにたって、次にやったことっていうのはやはり岐阜県の魅力をどういう形で、磨いて発信をしていくかと」(古田知事)

 岐阜県の「知名度アップ」に力を入れてきた古田知事。

 「清流の国ぎふ」と名付け、世界に売り込みを始めました。

 2014年に「本美濃紙」のユネスコ無形文化遺産 登録。

 2015年には「清流長良川の鮎」の世界農業遺産認定など世界に岐阜県を広めた出来事もありました。

 岐阜県を訪れる外国人観光客の数は、観光庁の統計が始まった2007年は約17万人でしたが、2024年(1月~10月まで)には、約185万人まで増加し、過去最高となりました。
 

人口減少について話す古田肇 岐阜県知事

今後の課題は「人口減少対策」
 一方で、やり残した課題も。

「当初想定したよりもはるかに速いスピードで、人口減少が進んでいると。ですから人口減少を食い止める政策と、この減少下でどう充実した地域生活を送っていくかと、この2つの観点を明確に意識しながら、政策を組み立てていく必要がある」(古田知事)

 岐阜県の人口は、若者の県外への流出などにより、2005年から2023年まで19年連続の減少。

 岐阜県の人口減少については、立候補した2人も課題ととらえています。
 

江崎禎英 氏

4年前の岐阜県知事選にも出馬した江崎氏
 12月、岐阜駅前であいさつ活動を行っていた元内閣府大臣官房審議官、江崎禎英 氏(60)。自民、立憲民主、国民民主、公明党から推薦を受けています。

 4年前の岐阜県知事選にも出馬しましたが古田知事に敗れました。

 あれから4年。ほぼ毎日欠かすことなく県内を回り、地域の声を聞いてきました。

「県内ずっと回っています。それこそ地球4周分、約16万4000キロ」(江崎氏)

 また、交流の場を作ろうと、大学生の時から35年ほど続けてきた合気道の道場を3年前に岐阜市に構えて指導も始めました。

 選挙戦では、観光や農業の振興、災害などに強い医療・防災システムの整備などを訴えています。

 人口減少対策では、若い女性や子育て世帯が安心して働ける環境作りを訴えています。

「人口流出に対して、若い人、特に若い女性が魅力を感じて、この地域に残ってもらう。子育て中のお母さんが安心して働ける場所。その中で未来を考えることが必要です」(江崎氏)
 

和田玲子 氏

和田氏は初めての選挙戦
 一方、岐阜市の街頭で第一声をあげたのは、共産党推薦で産業カウンセラーの和田玲子氏。

 今回が初めての選挙戦。12月の街頭活動では…。

「回数重ねてきて自信をつけて、なんとかここまで来ているかなという感じです」(和田氏)

 人前で話すのは、まだ緊張した様子です。活動中、手元を見ると話す内容が書かれたメモが。

「たくさん要求を伝えたいので、要点だけおさえて、忘れそうになったら(メモを)見て漏れがないようにしたいと思います」(和田氏)

 18歳までの子どもの医療費の無償化や女性の社会進出促進、リニア中央新幹線の工事中止などを訴えます。

 人口減少への対策については…。

「若い世代、特に女性が県外へ流出する率がかなり高いらしい。そのためには賃金が愛知県と比べて遜色ないように引き上げていく必要がある。子育て支援をしっかり県が支えてくれる、市町村が支えてくれるってことになれば、岐阜県が住みたい県になっていくのかなと思います」(和田氏)

 岐阜県知事選挙は26日(日)に投票が行われます。
 

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