オンラインゲーム、犯罪に誘われる恐れも  IT専門家「実際に会うのは危険」「親子で話し合って」

2025年2月28日 13:18
ミャンマーの犯罪拠点から保護された高校生の1人は、「オンラインゲームで誘われた」と話しています。その背景を専門家に聞きました。

ITジャーナリストの三上洋さん

「オンラインゲームで最初からリクルーディング。犯罪グループはオンラインゲームで犯罪加担者を探しているのだと思う」(ITジャーナリスト 三上洋さん)

 ミャンマーを舞台にした、大規模な監禁事件。

 「KKパーク」と呼ばれる詐欺拠点が、報道陣に公開されました。

 床にそのまま座る人たち。建物の中では、監禁されたとみられる多くの外国人が本国への送還を待っていました。

 ミャンマーの国境警備隊によると、これまでに複数の拠点で28の国と地域の7000人以上を保護したということです。
 

三上さんに話を聞く小松崎花菜アナウンサー

高校生「オンラインゲームで知り合った男に誘われた」
 保護されて帰国した日本人の中には未成年も。愛知県の16歳と宮城県の17歳、2人の高校生です。

 愛知県の高校生が日本を出たのは、去年12月ごろ。

 11月ごろにインターネットで連絡を取り合っていた人物から、仕事を紹介されたといいます。

 宮城県の高校生は「オンラインゲームで知り合った男に『衣食住の面倒を見るから』と誘われました」と話していて、ミャンマーで“かけ子”をさせられたといいます。

 こうした事態を受け、警察庁はオンラインゲームなどをきっかけに海外に誘われるケースが相次いでいると、注意を呼び掛けています。
 

日本の高校生がオンラインゲームを通じて犯罪に誘われた(イメージ画像)

オンラインゲームを悪用する背景とは…
 オンラインゲームを悪用する背景は。ネット犯罪に詳しい、ITジャーナリストの三上洋さんに聞きました。

Q.子どもがオンラインゲームで犯罪に巻き込まれるケースは増えている?
「いろんなパターンがあります。詐欺サイトに誘導されて、お金を盗み取られるパターンや、仲良くなってから中高生が性的な被害に遭うパターン、誘拐みたいなパターンもあります。そのうちの一つが今回の事件で、闇バイト。海外に出稼ぎに行くという犯罪加担を、オンラインゲームで誘われるという非常に珍しいパターンだと思う」(三上さん)
 

ゲームについて「親子で話し合ってほしい」と語る三上さん(左)

オンラインゲーム「親や友人より濃密な付き合いに」
「SNSと違い、オンラインゲーム、特に対戦型のゲームでは仲良くなりやすい特徴があります。理由の一つはボイスチャット。これらのゲームでは協力プレーをしていくので、音声をつないだまま声をかけあって戦っていく。そうなるとゲームの中でずっと同じ時間を共有して話をしているわけです。オンラインゲームで仲良くなると、親やリアルな友人よりも濃密な付き合いになると言われています」(三上さん)

 三上さんは、本来ゲームを楽しく遊ぶための機能が、犯罪に巻き込まれるきっかけになることもあると指摘します。
 
オンラインゲームを悪用する手口
 オンラインゲームを悪用する側は、対戦ゲームを同じチームでプレーし、仲間意識を強める。ゲーム内で使用する有料のアイテムをプレゼントする。攻略のアドバイスをして「ゲームの上手な優しい人物」を演じるなど、子どもの信頼を得た上で犯罪行為に巻き込んでいくといいます。

Q.犯罪に巻き込まれる可能性があると見分ける方法はある?
「『実際に会おう』『会って話をしよう』と言われたら、これは危険です。さらに『お金をあげる・送る』『もうかる話があるよ』『働き口があるよ』、こういったお金や働き口の話が出た時点で、もう付き合わない方がいいと思います。もう一つは親御さんに(子どもが)どんなゲームをしているのか、できれば把握していただきたい。妙に長時間ゲームをやっている、妙にお金がない、逆にお金を持っている場合は、なんらかの犯罪に手を貸している可能性があります」(三上さん)

Q.保護者の中には、「あまり制限しすぎるのも」と考える人もいるのでは?
「一番の理想は、親子でどんなことをやっているのか話し合うこと。『何がおもしろいの?』『私にもできる?』と親が逆に教えてもらう側に回ってもいい。お互いが教えあえるようになれば、親に隠れて何かをするという行為はしにくくなると思います」(三上さん)

(2025年2月28日放送 メ~テレ「ドデスカ!」イマネタより)
 

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