大阪・関西万博「電力館」を報道公開 タマゴ型端末で未来のエネルギー学ぶ 開幕まであと1カ月半

2025年2月28日 19:46
開幕まであと44日となった大阪・関西万博。急ピッチで準備が進むなか、一部のパビリオンが報道公開されました。
 4月13日に開幕する「大阪・関西万博」まで、残り1カ月半。

 会場では、パビリオンの建設工事が急ピッチで進んでいます。

 そうしたなか、13の企業・団体が出展する「民間パビリオン」エリアのパビリオンのひとつが、28日に報道陣向けに公開されました。
 

カラフルなタマゴ型の端末を首にかけて入場

カラフルなタマゴ型端末に「仕掛け」が
 ひときわ存在感を放つ「電力館 可能性のタマゴたち」。

 大きい卵型のパビリオンで、六角形の幕が約350枚つなぎ合わされてできています。

 中部電力をはじめとする電力会社10社で構成する「電気事業連合会」が展開するパビリオンです。

 テーマは「エネルギーの可能性で未来を切り開く」。

 中に入ると、カラフルなタマゴ型の端末が並んでいて、来場者は一つ手に取り、首にかけて入場します。

 館内の”仕掛け”を体験するために必要な道具なんです。
 

テーブルに投影される光の球を、タマゴ型端末に引き寄せるゲーム

未来のエネルギーを体感
 テーブルの上に投影されるのは、原子核に見立てた光の球。

 反発しあう球を、手元に置いたタマゴ型の端末に引き寄せるゲームで、膨大なエネルギーが生まれる「核融合」の原理を体感できるといいます。

 ほかにも、シューティングゲームの要領で「無線給電」の仕組みを学べるゲームなどもありました。

 電力館が想定する主な来場者は、小学生を中心とした子どもたち。

 未来のエネルギーの可能性について、楽しく学んでほしいといいます。

「2050年がカーボンニュートラルを達成するターゲットの年になっているが、その年までの間に様々なエネルギーの可能性を追求して、社会に実装して達成していくことを感じ取っていただければ」(電力館 可能性のタマゴたち 岡田康伸 館長)
 

メ~テレが実施したアンケートでは、9割以上が万博の盛り上がりを感じない結果に

盛り上がりはまだこれから
 一方で、大阪・関西万博をめぐっては「盛り上がりに欠ける」という指摘もみられます。

 東海地方に住む人を中心に、メ~テレが去年12月から今年1月に実施したアンケート。

 約1万1000人からの回答では、盛り上がりを「全く感じない」「あまり感じない」と答えた人は計9割以上でした。

 1月、この結果を大阪府の吉村洋文知事にぶつけると――。

「まあ正直なところだと思います。なかなか情報もない中で、『課題がある』ということが全国報道で流れますので。万博の中身をこれからどんどん発信していくことが大事だと思っています」(吉村知事)
 

現時点で明らかになっている「見どころ」

「見どころ」発信強化がカギ
 カギとなるのは、現地に行きたくなるような「見どころ」の情報発信の強化です。

 現時点で明らかになっている展示内容は、iPS細胞で作られた心臓や、3Dプリンターの技術を活用した「培養肉」、入浴中にAIが健康チェックをしてくれる「人間洗濯機」や火星の石など、国内パビリオンを中心とした一部の情報のみ。

 「万博の華」ともいわれる海外パビリオンの具体的な展示については、ほとんど明らかになっていないのが現状です。
 

石破総理は「当日券を会期中に販売する」と表明

石破総理は当日券販売を表明
 そんな中、新たな動きが。

 「入場チケットの購入につきましては、先般、吉村知事よりご指摘をいただきました、当日券を会期中に販売することにしたい」(石破総理)

 石破総理は25日、万博に来場した日に入場ゲート前で購入できる「当日券」を販売すると表明しました。

 さらに、何度でも入場できる「通期パス」の割引販売も発表。

 5月までに1日券を使って来場した人限定で、その後の「通期パス」を買う場合、通常は大人3万円のところ、2万4000円に値引きされます。
 

「電力館 可能性のタマゴたち」の岡田康伸館長

国も気運盛り上げに躍起
 開幕まで2カ月を切り、機運の盛り上げに、国も躍起の姿勢をみせています。

 他のパビリオンと比べてもかなり早い段階で28日の内部公開に踏み切った「電力館」の狙いも、同じところにあるようです。

 「たくさんのパビリオンが大阪・関西万博に展示されるので、電力館をたくさんの方に知ってもらいたいと思っているので、包み隠さずPRしていきたい」(岡田館長)
 

万博のチケット販売状況は、2月19日時点で目標の半分を少し超えた程度

伸び悩む前売り券
 前売りチケットの販売状況にも課題が表れています。

 万博協会は、チケットの販売想定を2300万枚としていて、このうち前売り券の売り上げ目標を1400万枚としています。

 現在はチケットの種類によりますが、1回の入場で大人4000円~6700円で購入できるという前売り券。

 ただ2月19日時点で、販売実績は787万6174枚。目標の半分を少し超えた程度です。

 特に直近の1カ月では約25万7000枚しか増えておらず、目標達成に向けたペースとしては厳しいものとなっています。
 

「簡単来場予約チケット」(仮称)も導入へ

「複雑」の声受け新たなチケットも
 個人向け販売の低調さには、チケット購入の「複雑さ」もあるとみられます。

 チケット購入手続きとして、「万博ID」の登録が必要です。

 登録には個人情報を入力する必要があり、そのうえでチケットを購入して来場日時やパビリオンの予約などをするという流れです。

 こうした手続きが「煩雑だ」という声を受け、25日に発表されたのが「簡単来場予約チケット」(仮称)の導入です。

 万博IDの登録は不要ですが、パビリオンなどの事前予約や、来場日時の変更などはできません。

 このほかにもネットで手続きをせず、コンビニエンスストアや旅行代理店での紙チケットの購入などもできるということです。
 

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