備蓄米放出も「焼け石に水」値上げの春で家計の厳しさ続く お値打ちなのは春野菜

2025年3月3日 17:04
政府は2月、価格が高騰しているコメについて保有する備蓄米のうち21万tを放出すると発表。備蓄米の放出は最初に15万tを予定していて早ければ3月下旬にもスーパーなどの店頭に並ぶ可能性があります。備蓄米の放出がコメの価格にどれほど影響するのか、名古屋市内のスーパーで聞いてみました。さらに「今だからこそお値打ち」というオススメの食材は。
 「備蓄米放出のニュースを受けてだと思うが、相場の上げが止まって今横ばいという感じ。備蓄米放出がなかったら、そのまま相場が上がっていたと思うので。それは止まってよかった」(ウオダイプラス 牧野学さん)

 しかし備蓄米が放出されても、すぐに価格が下がることにはつながらないのではないかとの見通しを話します。

 「備蓄米が21万t放出されるそうだが、我々の感覚としては焼け石に水。基本的にコメが足らない状況で、21万t今年の分が少ない。それを補填したところで基本的に足らない状況は変わらないのではないかと」(牧野さん)
 

3月は2343品目の食品で、平均約17%の値上げが見込まれている

値上げはコメだけにとどまらず…
 またこちらのスーパーではコメの価格高騰に連動して「パックご飯」の価格にも影響が出ているといいます。

 「約1年前くらいで(パックご飯)5食入りの徳用パックが298円ぐらいだったのが、今は550円に値上がりした。コメの原材料の値上がりもあるし、輸送費などの値上げもあって」(牧野さん)

 全国的にみても3月から値上げとなる食品はコメだけにとどまりません。

 民間の調査会社「帝国データバンク」によりますと、3月は2343品目の食品で平均約17%の値上げが見込まれているということです。

 品目としては「冷凍食品」や「チルド麺」などの加工食品が最も多くなっています。
 

ニンジン、ダイコンは高値が続く見込み

引き続き、高値が続く野菜も
一方、価格高騰が続いている野菜について再び名古屋市内のスーパーで聞いてみると――

 「ニンジンが例えば1袋199円で売られていたものが大体100円くらいは上がるのでは」(牧野さん)

 ニンジン、ダイコンについては引き続き高値が続く見込みだといいます。

 「かなり生活が厳しいですね。色々スーパーのチラシを見ながら来て、ネットで安いものに関してはネットで済ます」(買い物客)
 

雪の影響がなくなったことで、野菜の出荷量が増え値下げにつながる

春野菜が安くなる?
 様々なものが値上がり、多くの人が節約に苦しむ一方で、こんな話も――

 「これから安くなっていくのは春野菜で、新玉ネギ、新ジャガイモ」(牧野さん)

 天候不順などの影響で価格が高止まりしていた野菜は多くの種類が買い求めやすくなりそうだといいます。

 「(2月)雪がたくさん降ったと思うが、雪が降ると野菜の収穫ができない。収穫できるようになってから一気に農家さんがとり始めるので、市場にあふれるから相場が下がるという。今ちょうどその時期になるのかなと思う」(牧野さん)

 2月の寒波で降った雪の影響がなくなり、野菜の収穫ができるようになったことで出荷量が増え値下げにつながったということです。

 こちらのスーパーではナス1袋が2月中旬から約半額となる215円。

 そして、ともに市場に出回ったばかりの新タマネギは3割ほど、新ジャガイモは4割ほど3月中に安くなる見込みだということです。
 

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