闇バイトへのスカウト音声「1発30万円」 愛知の大学生が動画で被害防止に向けて啓発

2025年3月5日 17:49
大きな社会問題となっている“闇バイト”。若者を犯罪に誘導する悪質な手口をどう防いでいくのか。若者自身がその課題に取り組んでいます。
 「だいたい夜12時から2時間くらいの間で終わるので、もし夜が基本動ける人だったら一番助かるなって感じです」(闇バイトの紹介者)

 軽い調子で説明する電話口の男。番組が入手した”闇バイト”の勧誘の音声です。

 Q.Xで応募した理由って何でしたっけ(闇バイトの紹介者)
 「定職がないので、稼ぎが欲しいなと思いまして」

 SNSの投稿をきっかけに接触してきた男は――

 「1発30万(円)とかの仕事もあります。詐欺したお金あるじゃないですか、それを持ってとんずらこいちゃったやつもいるんですよ」(闇バイトの紹介者)

 「回収」と称し、グループ内で持ち逃げされた現金を取り返すという明らかな犯罪の内容も――

 Q.強盗みたいな感じになるんですか
 「いや、強盗にはならないです。家で携帯ポチポチ動かして、30万円もらえるなんて絶対ないので、サラリーマンに一月分の給料が入るような仕事は少なからずリスクは伴う」(闇バイトの紹介者)

 もっともらしい理屈をつけて説得し、犯罪へいざないます。
 

特殊詐欺事件の受け子等になった経緯(去年 警察庁の調査)

SNSが身近な“スマホ世代”の若者こそ狙われやすい
 警察庁の調査によりますと去年1年間で特殊詐欺事件の“受け子”などで警察が検挙した2229人について、詐欺に関わった経緯として42.7%がSNSを通じた「闇バイト」への応募だったといいます。
 

学生防犯ボランティアの闇バイト対策動画案

対策を動画で発信
 “闇バイト”への勧誘から身を守るために効果的な対策は一体何なのか――

 5日、名古屋市の中村警察署に集まっていたのは大学生などでつくる「学生防犯ボランティア」です。

 警察官らに対して熱の入ったプレゼンをしています。

 「普通に始まったらあんまり見てくれないかなと思って、何かインパクトのあるシーンで始めたいなと思って、もう最初から逮捕シーン」(愛大防犯ポリス 後藤広樹さん)
 
 「手口の部分は『動画』に入れ込みたいなというのがある。運転免許証の写真を送るというシーンを入れたいと考えています」(あいちパトロールピーポー近藤大希さん)

 つくろうとしているのは若い世代に訴えかける「動画」です。

 「僕たち世代ではYouTubeより、ショートばかりを見る人が多いと思うので、ショート動画で流していくのが良いのではないか」(近藤さん)
 

トビラシステムズ 柘植悠孝さん

最大の防御策は若者の「リテラシー」を高めること
 特殊詐欺などの対策サービスを提供する名古屋の会社 「トビラシステムズ」は若者自身の「リテラシー」を高めることが最大の防御策と言います。

 「被害が増えて話題になるとメディアなどでも取り上げられたり、周りで騒ぐことがあるのでそういったところから知識を得る。家族は子どもに『闇バイトの犯罪が増えているから気を付けてね』と伝えるということも重要かと思います」(トビラシステムズ 柘植悠孝さん)

 必要なのは 「闇バイトから身を守るための情報」を確実に届けること。

 「そこが穴になっていて、犯罪被害が増えていることもあるので、完全になくすというのは難しいですよね。被害を減らすために情報を発信する側は声を大きくするということ。情報を受ける側も感度を高めることが重要なのかなと思います」(柘植さん)

 学生たちの課題はこうした対策をどう浸透させるか。

 「当事者の世代が自分事だと思って、意識していくのが大切なのかと考えています」(近藤さん)
 「SNSで拡散もできるのでいろんな人に拡散してもらって、正しい情報が伝えられたら良い」(後藤さん) 
 

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