全線開通「名豊道路」名古屋~豊橋が1時間で行けるはずが…「こんなに交通量が多いとは」 

2025年3月10日 17:08
名古屋から豊橋までを結ぶ「名豊道路」が全線で開通。信号がなく、両都市を1時間で結ぶという無料の道路ですが、実際に走ってみると――。
 8日に関係者が祝ったのは、名古屋と愛知県の豊橋市を結ぶ国道23号のバイパス「名豊道路」の全線開通です。

 1972年の着工から半世紀以上。

 最後まで残されていた豊川為当ICから蒲郡ICまでの「蒲郡バイパス区間」9.1kmがつながりました。

 「名豊道路」は信号がなく、無料で通行することができます。

 国道1号なら1時間50分ほどかかる名古屋~豊橋間を約1時間で移動できるようになったといいますが、実際の“開通効果”と走り心地は――
 

今回の検証

メ~テレクルーが実走
 「名古屋市内から国道23号を使って豊橋市内に向かいます。以前より移動時間は短くなるのでしょうか。ストップウォッチを使って測ります」(上坂嵩アナウンサー)  

 今回の検証は、大高ICから名豊道路のスタートとなる豊明ICへ。

 そして、新しい「蒲郡バイパス区間」を通り、豊橋市役所まで向かいます。
 
 テレビ局のドライバー歴12年、林修史さんが期待するのが――

 「これまでは一度高速を降りて、国道1号を走ったり、豊川の街なかへ蒲郡から抜けて入るんですけど、その間が混むんですよね。繋がったバイパス道路があると、時間が相当短縮されるはず」(テレビ局のドライバー歴12年 林修史さん)

 豊明ICあたりは、少し混んだものの、その後は信号がないためか、スムーズに進んでいきます。
 

テレビ局のドライバー歴12年 林修史さん

「片側一車線なので事故が起こった時に動かなくなる不安がある」
 しかし、約30分後。

 「西尾東ICの辺りですけど、少し混んできましたね」(上坂アナ)
 「合流で道の駅もあるので、出入りが多いです。片側2車線で合流などで詰まるとどうしても詰まってしまう」(林さん)

 期待とは一転、ノロノロ運転が続きます。

 そしていよいよ、今回開通した区間へ――
 
 「開通区間の蒲郡バイパスに乗りました。出来立てできれいな道路になっています。しかし渋滞という状況です」(上坂アナ)
 「片側一車線なので事故が起こった時に動かなくなる不安もあります。片側2車線あるとスムーズに走るかなという気がします」(林さん)
 

到着予定を大幅オーバー

予定を大幅にオーバーする結果
 今回、開通した蒲郡ICから豊川為当ICの間は、渋滞が続いていました。
 
 為当ICのあたりで、名古屋を出発してから、すでに2時間ほど経過。  

 そして豊川橋南ICで「名豊道路」を降り、豊橋市の中心市街地へ。

 「豊橋市役所前に到着しました。かかった時間は2時間27分です」(上坂アナ)

 予定を大幅にオーバーする結果となりました。

 走ってみての感想をハンドルを握った林さんに聞いてみると――

 「きょうは交通量が多かった。こんなに混むと思わなかったです。1車線になるところがどうしても交通量が多くなるとつまり始める。片側2車線になってスムーズな通行ができるようになるとずいぶん変わってくると思います」(林さん)
 

城西国際大学 佐滝剛弘 教授

片側1車線区間がネックに
 全線開通した名豊道路。約半分の区間は片側一車線となっています。  

 専門家は、どう見ているのでしょうか。

 「豊橋は今まで東名のインターは豊川。新東名は新城だった。東三河の中心都市なのに、少し高速から遠かった。今回の道路によってかなり海際に近いところに道路ができたので、産業面でも観光面でも心理的に近くなった」(城西国際大学 佐滝剛弘 教授)

 一方で、現状では期待される機能を十分に発揮できないとも指摘します。

 「道路は最低片側2車線ないと、交通事故も起きやすいし通行止めも起きやすい。着手して作ってしまった以上、片側2車線にするのが道路責任者の使命。お金もかかるし手間もかかるが、急いでやらないと、100%道路の機能を発揮できないと思います」(佐滝教授)
 

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