名古屋城の天守“屋根裏”に眠る「芳名板」公開へ 木造復元実現へ狙いは機運盛り上げ

2025年3月10日 17:34
名古屋のシンボル「名古屋城」。10日、名古屋市はその城の中にあるという「あるもの」を公開する方針を明らかにしました。「これまで人目に触れてこなかった」という特別なもの、一体何なんでしょうか――?
 毎年多くの人が訪れる、名古屋の代表的な観光スポット「名古屋城」。

 耐震性の課題などから「天守」が閉鎖されてからまもなく7年となります。

 河村たかし前名古屋市長が肝入りの計画として掲げた「天守の木造復元」はいまだ実現に至らず。

 去年、その計画を引き継いだ広沢一郎市長にとっても、前に進めたい重点施策の一つでもあります。

 10日の市議会個人質問。

 自民系会派の市議から改めて「天守の木造復元」の意義について問われ、広沢市長は――

 「世界最大級の木造建築物として、外観のみならず巨大な柱や梁が構成する内部空間によって往時の天守内部を体感できることに大きな意味があると考えています」(名古屋市 広沢一郎 市長)

 バリアフリーの整備は欠かせない要素としつつも、市民の理解を得つつ、木造復元事業を進めたいとした広沢市長。
 

「屋根裏」に去年、ドデスカプラスのカメラが潜入

屋根裏に眠る「芳名板」
 さらに、こんな指摘も。

 「現在の天守閣は、多額の寄付により再建されたことは知られているが、一体どの程度の方が寄付をしたのか、芳名板をおろして展示することで、市民や観光客に
現在の天守の価値を伝えてはどうか」(自民党名古屋市議団 浅井正仁 市議)

 現在、立ち入ることができない名古屋城の天守。

 その「屋根裏」に去年、ドデスカプラスのカメラが潜入していました。

 Q.これは何ですか
 「現在の天守を再建する際に、ご寄附いただい方々を顕彰するための芳名板」(名古屋城総合事務所 三谷幸司さん)

 屋根裏にあったのは、「芳名板」。

 戦後の名古屋城再建時、寄付をした人たちの名前が書かれている板です。

 壁一面に飾られ、当時寄付を行った企業や団体、個人の名前が記されていますが、現在市民や観光客は見ることができません。
 

名古屋城天守の屋根裏に眠る「芳名板」

「木造復元」に向けた市民の機運の盛り上げ
 広沢市長は、この名古屋城の「芳名板」を今後、屋根裏から移動させ、市民向けに公開する方針を示しました。

 「これまで市民の目に触れてこなかった芳名板を取り外し、適切な管理のもと、例えば現天守と同じ時期に再建された正門付近、あるいは天守木造復元イメージのVR映像の体験などを通じた機運醸成の機能も兼ね備えている階段体験館などでの活用を進めてまいります」(広沢市長)

 名古屋市が狙うのは、「木造復元」に向けた市民の機運の盛り上げ。

 天守の価値を広く市民に知ってもらいたいとしていて、展示の時期などを今後調整するとしています。
 

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