アリーナ建設「中止」か「継続」か 継続求める約13万4000の「声」と中止掲げて当選した市長 豊橋市

2024年12月4日 07:01
愛知県豊橋市の新アリーナ計画で「中止」を訴えて支持を集め、初当選した市長。 一方で、計画の「継続」を求める署名活動も行われています。それぞれの「声」は、市議会でどう扱われていくのでしょうか?

新アリーナの完成予想図 提供:豊橋市

 3日午後、愛知県の豊橋市議会の議長に手渡された請願書。

 同じく託された9つの「箱」に詰められているのは、「新アリーナの建設事業継続」を求める約13万4000人の「思い」です。

 「新アリーナ」の建設計画をめぐっては、市が今年9月、周辺の整備などを含めた総額約230億円の事業契約を業者と結び、2027年の開業を目指していましたが――

 11月の市長選で当選した長坂尚登氏。

 事業の「中止」を表明し、就任直後の11月21日、事業者に対し、契約解除を申し入れました。

 突然の「中止」表明に揺れたのが、地元に拠点をおくプロバスケットボールチーム「三遠ネオフェニックス」です。

 2026年度からスタートするトップリーグ「Bリーグ・プレミア」への参入が決まっていますが、計画されていた新アリーナの建設が中止になった場合、収容人数などの基準を満たしたアリーナの確保がチームとしてできず、参入のためのライセンスが取り消される可能性があります。

 「盛り上がったところで『Bプレミア』の問題もあるので、移転とかの問題も出てくるので、できたら豊橋につくってほしいと思い署名しました」(名古屋市在住)
 「ブースター(ファン)として、いち市民として、豊橋の発展を願っているので、街中が元気になってほしいという気持ちで署名した」(署名した人)

 「計画中止」の動きを受け、11月14日から始まった「新アリーナ建設事業の継続を求める署名活動」。

 市民だけでなく、市外の多くのバスケファンも協力していました。
 

約13万4000人分の署名は豊橋市議会へ

約13万4000人分の署名は市議会へ
 そして、3日。豊橋市内外から集まった約13万4000人分の署名は市議会へ。

 請願書とともに議長に提出されました。

 「非常に市民らの非常に関心が高く、我々を支持してくれる人が多いことを肌で実感しました」(とよはし新アリーナを求める会 川西裕康 共同代表)

 「市内外の皆さんが短期間で、13万4083筆もの署名をしていて、議長として本件に関する関心の高さや、民意の重みを感じている」(豊橋市議会 伊藤篤哉 議長)
 

愛知・豊橋市 長坂尚登 市長

「中止を掲げて当選したので、それが市民に対するお約束」
 3日、定例の記者会見に臨んだ長坂市長。記者から改めて「計画中止」の方針について問われると――

 「私としては中止を掲げて当選したので、それが市民に対する私のお約束だと思っているので、それに向けて今、進めているという段階」(愛知・豊橋市 長坂尚登 市長)

 11月の選挙で4万5491票を獲得し、初当選を果たした長坂市長。

 選挙で選ばれた「民意」として、新アリーナ計画中止の方針は変えないと改めて強調しました。

 その一方で、請願書として出された「声」に、どう耳を傾けていくのでしょうか。

 「請願については先ほど述べたように、これから市議会で審査・審議されるもので、それに関することを今私がどうこう言うのは、控えるべきだと考えております」(長坂市長)

 請願書は今後、市議会の委員会での審査を経て、本会議で採決される予定です。
 

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