火葬待ち状態が発生?八事斎場建て替え休止で名古屋市の火葬場1カ所に 

2025年3月28日 19:38
八事斎場休止で火葬待ち?名古屋市の火葬場である八事斎場が4月から整備のため約3年間、火葬を停止します。影響を受けるのは、名古屋市民だけではありません。  
 名古屋市天白区にある八事斎場。

 名古屋市が管理、運営をする火葬場で、火葬料に違いはありますが、名古屋市民の他にも長久手市など周辺の自治体住民の火葬を受け入れています。
  
 「こちらが火葬炉になります。八事斎場では1日あたり50件火葬をしています」(名古屋市 健康福祉局 八事斎場再整備担当 井口智彦さん)

 この八事斎場での火葬が3月末で停止します。

 老朽化により、新しい火葬場を整備するためです。  

 「1971年に最後の改築を行い、それからすると54年になるところです。施設全体が老朽化が進んでいるので、部分部分を見るとひび割れがあったりする。港区にも第二斎場ができたので、このタイミングで工事をすることになりました」(井口さん)
 

完成イメージ図(提供:名古屋市健康福祉局)

新しくなる八事斎場は、2028年6月に運用開始予定
 整備費約195億円をかけて新しくなる八事斎場は、2028年6月に運用が開始される予定です。

 整備期間の約3年間は、港区にある第二斎場のみで火葬を行うことになります。

 「1日あたりの火葬件数を増やすとか、市民が優先的に予約できるようにする。市民優先枠を新たに設けながら、4月以降は運用しようと考えているので、そういった意味で火葬を待つことがないように取り組んでいきたいと考えています」(井口さん)

 名古屋市では火葬場が1カ所になる4月以降、市民の「予約優先枠」を初めて設けます。
 
 また、第二斎場の1日の火葬件数を58件から87件に増やして対応することにしています。

 「特に冬場などは市民の優先枠を増やしながら、市民を優先的に火葬していきたいと考えています」(井口さん)
 

八事斎場 2023年度の火葬件数

名古屋頼みの長久手市はどうする
 八事斎場の2023年度の火葬件数は2万8624件で、そのうち約1割にあたる2828件が名古屋市民以外でした。

 市民以外の利用者はどうなるのでしょうか――

 「今まで名古屋市の火葬場を利用いただいていた方については、名古屋市の火葬場を利用することができない場合も生じてくる。市民以外の2828件のうち6割程度に影響があり、4割程度は受け入れができるかと考えています」(名古屋市 健康福祉局 八事斎場再整備担当 鈴木純 課長)
 

紫雲殿 執行役員本部長 古屋直樹さん

火葬待ちに備え
 「名古屋市に隣接する長久手市。火葬場をもたない長久手市は今後、どのような対応をとるのでしょうか」(木岡真理奈アナウンサー)

 長久手市は、これまで八事斎場と瀬戸市の斎場に頼ってきました。

 八事斎場はそのうち約6割を占めます。

 長久手市で年間100件の葬儀を行う会社は、4月以降の火葬場の予約状況を注視しています。
 
 「八事斎場の次に近い、瀬戸市斎苑をご案内する形になります。瀬戸市斎苑はそんなに大きくないので、予約が埋まりやすいかもしれません」(紫雲殿 執行役員本部長 古屋直樹さん)

 また、火葬待ちに備えてあるものも準備しました。

 「2~3日だとドライアイスで対応できると思っていまし。それ以上長期になると、保冷庫を準備する。八事斎場が休止する4月1日から稼働をしていきたいと思っています」(古屋さん)
 

長久手市 環境課 森健一さん

長久手市に火葬場を作る計画は「現状ない」
 3年後に出来る、新しい八事斎場でも、名古屋市は「市民優先枠」の運用を続ける方針です。 

 「まずは名古屋市の決めることは尊重し、もしもまだ利用できる枠があれば、ぜひとも利用させていただきたい」(長久手市 環境課 森健一さん)

 Q.長久手市に火葬場を作る計画は
 「現状はございません。(新しく建設するとなると)住民の方に理解いただけるか、建設費等もあるので」(森さん)

 火葬場の利用がひっ迫する可能性があることに、長久手市民は―

 「困るよね。葬儀場というとすぐに予約がとれるものだと思っているので」(70代)
 「子どもが小さいので遠くだと、行くのも大変なので待つか、(友引など)日にちを選ばずに空いているところでお願いするか」(30代)
 

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