樹齢1500年の淡墨桜 クローンで保存へ 保存会「1000年後の人に渡すバトン」岐阜県本巣市

2025年4月7日 17:01
岐阜県本巣市を代表する「淡墨桜」が満開を迎えています。樹齢は1500年。貴重な薄墨桜の木をクローンによって保存していこうという動きが進んでいます。
 岐阜県本巣市の淡墨公園では、国の天然記念物に指定されている「根尾谷淡墨桜」が見ごろを迎えています。

 樹齢1500年あまりとされる貴重な淡墨桜を守ろうと、保存会はさまざまな活動を行っています。

「地元の子どもたちと(淡墨桜の)種を拾って苗を作るというのが一番の仕事。その苗を求められる方にお渡しをして全国に広げている」(淡墨桜を守り広げる会事務局 三本木隆さん)

 東日本大震災や能登半島地震のときなど復興を願って全国に淡墨桜の苗木を植樹してきました。

 保存会が植樹以外にも力を入れているのがクローンの作製です。
 

淡墨桜を守り広げる会事務局 三本木隆さん

本体と同じDNA、クローン淡墨桜
 きっかけは2018年9月の台風。

 根尾谷の淡墨桜は枝がいくつも折れる被害が出ました。

「折れた枝をそのまま捨てるのはいかにも惜しい。折れた枝を何かに使えるのではないかと考え、これはたまたま成功した何本かのうちの1本」(三本木さん)

 ほかの種と勾配して育った“2世”の苗木と違い、クローンは淡墨桜の本体と同じDNA。

 ほかの種が混じることなく淡墨桜本来の特徴を維持できるといいます。

「淡墨桜に何かあったときにこの桜があれば淡墨桜の”血統”はそのまま残っていく」(三本木さん)

 これまで保存会のメンバーが接ぎ木をしたクローン桜は80本。

 このうち8本が発芽し、順調に育ったのはわずか4本。その1本が去年11月、淡墨公園に植樹されました。

「1週間のうちには咲くと思う。1000年後の人に渡すバトンとして系統保存木を残したのは大きな意味がある」(三本木さん)
 

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