カレーライスにも物価高の波 1食あたり調理コストが初めて400円突破、やがては高級食に?

2025年4月22日 16:58
物価高の波は、家庭の定番のあのメニューにも。カレーライス1食あたりの調理コストが400円を超え、過去最高を更新したと調査会社が発表しました。
 食卓でおなじみのカレーライス。比較的、調理も簡単な人気メニューですが、みなさん、このところ気になっていませんか?

 そう、物価高です。カレーライス1食をつくるのに必要な調理コストは、急速に上昇しているんです。

 調査会社の帝国データバンクは、カレーライスに使う食材や調理に必要な水道光熱費などから、1食あたりにかかるお金を「カレーライス物価」として毎月発表しています。

 それによると、最新の2月分は407円。1年前より88円高く、初めて400円超えとなりました。比較可能な2015年以降で、最も高い水準です。
 

カレーライス1食あたりの調理コストは高騰している(帝国データバンクによる)

調査会社「歴史的な物価高騰」
 調査を担当する帝国データバンクの飯島大介さんは「非常に歴史的な物価高騰の状況を反映している数値になった」と話します。

 カレーライス物価を構成する費用の内訳を見てみると、カレールーや水道光熱費は横ばい傾向にありますが、具材の価格は1年前と比べて11円値上がり。そして、要となるごはん(ライス)は、なんと77円も上がっています。

「よもやここまでコメの価格が上昇してしまうというのは正直我々も想定外だった、コメの価格上昇は平成初期の“米騒動”以来、我々が体験しえなかった状況が出てきている」(飯島さん)
 

最新の「カレーライス物価」の内訳(帝国データバンク調べ)

カレー食材の値下がり、まだ期待できず
 名古屋のスーパーでも…。

「うちのお米が結構“お値打ち”なので、入ったらお客さんがバーッと買っていく」(ウオダイプラス 米・生鮮バイヤー 牧野学さん)

 22日はコメが品切れでしたが…。

「はい、お米入荷しましたよ~」(店員)

 店頭に並んだ途端、手を伸ばすお客さんがいました。

 ただ、高値が続くコメは値下がりの気配が見えず、輸入牛肉もトランプ関税による価格急騰リスクが拭えません。家庭の人気メニュー、カレーライスの行方はどうなるのでしょうか。

「現時点では少なくとも値上がりが続くだろう。(最新の)2月までの急激な上昇よりは少し緩やかになる可能性もあるが、少なくとも値下がりという期待は乏しい」(飯島さん)

 5月発表予定の「3月分」のカレーライス物価は1食あたり420円前後になる可能性もあるといいます。

 このままでは「高級メニュー」にもなりかねないカレーライス。買い物客の実感は?

「ご飯が進んじゃうので、カレーはあまり作らなくなった。もともと豚肉で作っていたが、高いので鶏の胸肉を使っている」
「コメはなかなか(値段が)下がらない。(カレーに入れる)牛肉の量もいつも入れる量から減らしている」
 

カレー専門店の材料の約8割が価格上昇

カレー専門店も悲鳴「なんでも高い」
 「カレーライス物価」高騰の影響は、カレー専門店にも…。

 スパイスの効いたカレーが自慢の名古屋市中区の「インパール」。

 カレーとナン、サラダのセットメニューが人気のお店ですが…。

「コメとか小麦粉も高くなっているし、油もなんでも高くなっている」(インド・ネパール料理「インパール」レグミ社長)

 材料の8割ほどが以前より高くなっていると話す社長のレグミさん。中でも、コメの高騰の打撃は特に大きく、最近、国産からアメリカ産の輸入米に変更したといいます。

「前は(10kg)2500円くらいのコメが、今は6000円から7000円。7000円でも難しい。今まで持ってきてくれていた業者が『もう(コメが)ないから9月まで待って』と言った。今は海外のアメリカ米とかを提供している」(レグミ社長)

 まだ値上げには踏み切っていないものの、今後の状況次第では、価格の見直しも検討するとしています。

「この辺は会社員が多いから、会社員のことを考えると1000円以上のランチはきついかな。今のままで頑張っていきたいなと思っているが、できなかったらそのうち値段を見直した方がいいかもしれない」(レグミ社長)
 

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