中学校の部活は「エアコン付き体育館」小学校では「傘さし登下校」教育現場で進む熱中症対策
2023年7月4日 19:31
名古屋では4日、今年初の猛暑日となりました。各地の小中学校では熱中症対策を強化しています。
教育現場の熱中症対策
教育現場で進む熱中症対策。
名古屋市の楠中学校の体育館に、設置されていたのは――
「エアコンの機械です。本校は体育館の左右に全部で8台のエアコンがついています」(楠中学校 教務主任 小柳龍一さん)
楠中学校では今年、エアコン8台を体育館に設置。
気温が35℃に近くなると、冷房をつけることにしています。
エアコンをつけてから迎える初めての夏。
体育館での体調不良者は、ほとんど出ていないといいます。
全国的に公立の小中学校では、体育館の冷房設備が少ないのが現状です。
文部科学省による2022年のデータを見てみると、普通教室の設置率は95%を超えていますが、体育館などにおいては12%ほどです。
名古屋市では、公立中学校は今年度中に、小学校では2028年度までに、全校でのエアコン設置を進めています。
「空調がつく前はどうしても休憩時間が長くなったり、子どもの活動時間が減ってしまう様子が見られたが、空調がつくことによって子どもの活動の幅が広がって、子どもが毎日有意義に活動している様子が見られています」(小柳さん)
愛知県豊田市の童子山小学校で行っている「傘さし登下校」
熱中症対策として「傘さし登下校」を導入
小学校の熱中症対策は――
「朝8時すぎ。日差しが照り付ける中での登校時間です。子どもたちを見ると、みんな傘をさして登校しています」(上坂嵩アナ)
愛知県豊田市の童子山小学校では、熱中症対策として3年前から「傘さし登下校」を導入しています。
日差しが照り付けるなか、4日朝はほとんどの児童が日傘や色のついた雨傘をさしていました。
傘をさすと視界が狭くなるため、通学路では保護者らが安全確保に当たっています。
学校の中では、冷風機にあたる生徒たちの姿がありました。
また、6年生のクラス。
カバンから取り出して、見せてくれたのは水分や塩分を効率よく吸収できる「経口補水液」です。
「きょう経口補水液を持ってきた人?」(上坂アナ)
「ハーイ!」(児童)
全校児童に「経口補水液」を配っていて、体調不良を感じたら飲むように呼び掛けています。
自分たちで判断できるように、校内に「暑さ指数」を示している
校内に「暑さ指数」を掲示
また、げた箱には――
「今の運動場の熱中症指数、厳重警戒28という数字がありますね」(上坂アナ)
「外遊びなどをしていいかどうかを、自分たちで判断できるように、暑さ指数を示しています」(童子山小学校 山本雅世子 校長)
熱中症の危険度を示す「暑さ指数」。
数値が大きいほど熱中症のリスクが高まり、学校では「危険」を示す31以上になると、外での活動を中止するようにしています。
「いま、気温が30℃です。熱中症の警戒指数も28。厳重警戒なので気を付けながら校外学習へ行きます」(2年のクラスの教師)
2年生は、校外学習のため歩いて近くの畑へ。
この時も、ほとんどの児童が傘をさして移動していました。
低学年も、意識的に熱中症対策に取り組んでいます。
「暑さが本番を迎えるが子どもだちにどんなことを呼びかけていく?」(上坂アナ)
「熱中症で命を失うことが心配。熱中症のことを口酸っぱく言っている。少しでも調子が悪かったら活動を控える。活動の前後の健康観察を念入りに行う。学校としてやれることはすべてやろうと思っています」(山本校長)
(7月4日 15:40~放送 メ~テレ『アップ!』より)