「水中毒」に注意して熱中症予防 家庭で作れる対策ドリンク
2023年7月31日 17:22
暑いと必要になるのが水分補給です。専門医に正しい水分補給について聞きました。 また、名古屋市上下水道局は家庭にあるもので作ることができる熱中症対策ドリンクのレシピを公開しました。
今年、すでに多くの熱中症患者を見ている救急専門医は、患者の傾向についてこう話します。
「気を付けて水分を取っていると、(患者に)言われることの方が多いが、取る間隔が空いていたり、ものすごく汗をかく環境下にあるのに、昼休みまで水分を取らなかったり、休みの間に一気に水分をとる形になったり、水分の取り方そのものに疑問を持つことがある」(総合大雄会病院 救命救急センター 北原雅徳医師)
総合大雄会病院 北原医師
水分だけの補給では「水中毒」になる可能性も
熱中症予防に水分だけではなく、塩分補給も必要です。
汗などで塩分が失われたまま水分だけを補給すると、体調を崩すことも…。
「水分を異常に飲んでしまうと、体内のナトリウム濃度が下がって起こるのが水中毒。水分を入れてもナトリウムが入っていなくて体の中に水分だけが入り、どんどんのどが渇く…、水だけを飲んでしまう。水だけを飲むと体内の塩分濃度が薄くなって具合が悪くなる人も」(総合大雄会病院 北原医師)
目安として短時間に1リットル以上の水を飲んだ場合、「水中毒」と呼ばれる症状になるといいます。
「1日大体コップ1杯の水を6~8回くらい飲んでもらう。ただし、飲んですぐ体の中に吸収されるというわけではない。口から腸に吸収されるまで大体20~30分かかる。のどが渇くと思う前に飲むことが正しい飲み方」(総合大雄会病院 北原医師)
家庭にあるもので簡単にドリンクを作ることができる
家庭でできる熱中症対策ドリンクの作り方
また、名古屋市上下水道局が暑い夏にぴったりのオリジナルドリンクの作り方を公開しました。
「暑い夏でもさっぱりと飲んでいただけて、ご家庭で簡単に作れる熱中症対策ドリンクを紹介しています」(名古屋市上下水道局 営業課 山本理乃さん)
用意するもの(ドリンク1リットル分)は、水道水は1リットル、塩が小さじ1/2杯、はちみつが大さじ4杯、適量のレモン果汁です。
実際に作り方を教えてもらいました。
はちみつの代わりに砂糖を入れることも可能
レモン果汁を入れてさっぱり飲みやすく
「まずは水道水1リットルを用意します。この水道水に順番に材料を入れていきます」(名古屋市上下水道局 山本さん)
水道水に、塩、はちみつを入れます。
「はちみつがない場合は砂糖でも代用可能です。はちみつのほうが体に吸収されやすいと言われているので、はちみつがある場合は、はちみつを使ってください」(名古屋市上下水道局 山本さん)
そして―
「最後にレモン果汁を入れます。レモン果汁を入れることで暑い夏でも、さっぱりと飲んでいただけるドリンクになります。全部の材料を入れ終わったら、材料が溶けきるまで混ぜます。すべて溶けきったら完成です」(名古屋市上下水道局 山本さん)
レモン果汁を入れることでさっぱりと飲みやすく
ジュース感覚で飲むことができる
なんと、これだけで熱中症対策ドリンクができあがりました!!!
気になるお味は――
「はちみつの甘みの中にレモンの酸味がほのかにあって、さっぱりしていて飲みやすく、お子さんでもジュース感覚で飲める感じがします」(記者)
「私も熱中症対策ドリンクとして飲むが、レモン果汁を入れることで、さっぱりとして飲みやすくなっている」(名古屋市上下水道局 山本さん)
熱中症対策ドリンクは、冷蔵庫に入れて1日で飲み切るようにしましょう。
水に入れた材料が溶け切ればドリンクは完成
レシピは市の広報誌にも掲載
このドリンク、7月の市の広報誌などにも掲載されたといいますが――
「電話で市民の方から作り方に関する質問をいただいたり、毎日飲んでいるという感想もいただき、市民の方に親しんでもらっているのかなと。これからどんどん暑くなってきますので、水分補給を忘れずに。また、のどが渇く前に水分補給することを心がけてほしい」(名古屋市上下水道局 山本さん)
一方、名古屋市上下水道局では、「乳児ボツリヌス症」感染の可能性があるとして、1歳未満の乳児にはちみつを与えないよう呼びかけています。
(7月31日15:40~放送 メ~テレ『アップ!』より)