太陽光発電パネル ブームで設置後、一斉に大量廃棄の懸念…老朽化以外にも原因が

2024年2月27日 11:37

一時は大きな“ブーム”として導入が進んだ太陽光発電。将来、こうして設置されたパネルが一斉に寿命を迎えます。その廃棄をどう進めていくかが、課題になりつつあります。

太陽光パネルの寿命は約20~30年間

 環境への配慮などから注目の集まるクリーンエネルギー。しかし今、大量廃棄が問題となっているのが太陽光発電のパネルです。

 再生可能エネルギーで発電された電気を、電力会社が最長20年間、同じ価格で買い取る固定価格買取制度(FIT)が2012年に始まり、太陽光発電の設置が各地で増加。しかし、太陽光パネルの寿命は約20~30年間といわれているため、今後、一斉に大量の”廃棄パネル”が出てきてしまうことが懸念されています。

 環境省によりますと、2035年ごろには年間80万トンもの使用済み太陽光パネルが廃棄されると見込まれています。

 廃棄の原因は老朽化だけではありません。

「排出原因でございますが、表面のガラスの部分が割れてしまう。次に、発電が不良となりまして、一部過熱が発生してとりかえなければならないというもの、カラスが石を落として割れてしまうこともあります」(シーエナジー再エネ・新規事業部 田島久吉さん)

 

太陽光パネルのガラスは、土木資材の原料として再利用される

リサイクル技術に期待

 パネルの“大量廃棄時代”に備え、必要なのはリサイクル技術です。

 中部電力ミライズのグループ企業などが設立した「中電ソザイテラス」は、使用済みの太陽光パネルをリサイクルする事業を2023年12月に開始し、26日、愛知県蒲郡市で火入れ式を行いました。

 廃棄された太陽光パネルは、リサイクル装置によってアルミフレームが外され、特殊な装置で表面のガラスを粉砕されます。

 分別された不純物のないガラスは、土木資材の原料として再利用できるということです。

 現在、こうしたパネルのリサイクル事業者は増えつつありますが、今後は廃棄されるパネルの量が増え、処理が追いつかないことも懸念されているといいます。

「使い終わったものをどうするかというところも太陽光発電の課題。今の状況ですと、リサイクルする事業者さんが少ない状況でございますので、その時期になると、今のままですと厳しい状況になってくる、埋め立て処分に回されることを懸念している」(シーエナジー再エネ・新規事業部 田島久吉さん)

(2月26日15:40~放送 メ~テレ『ドデスカ!+』より)

 

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