【犯行時の映像入手】市役所で自分に火をつけ職員がけがをした事件 刃物を持ち職員を威嚇する姿が

2024年7月17日 16:48

愛知県高浜市役所で、刃物を持った男が液体をまいて火をつけ、職員がけがをした事件。当時の状況をとらえた映像を入手しました。

 「戦うんか」

 声を荒らげ、カウンターの中に入っていく1人の男。よく見ると、右手には刃物のようなものを持っています。

  男は、職員を威嚇…その後、職員がさすまたを持って応戦しているのがわかります。

 事件は、3連休明けの高浜市役所で起きました。

 市役所前は、警察や消防、避難した職員らで、騒然となりました。

 「お客さんがガソリンのようなものをまいて、火をつけた」(119番通報)

 警察によりますと、16日午後3時ごろ、市役所の1階で62歳の男が可燃性とみられる液体を自らかぶって火をつけました。

 消防によりますと、火はまもなく消し止められましたが、職員3人と男が病院に運ばれました。

 職員3人は、首などに軽いけがをし、男は、搬送時、意識はなかったということです。

 

市への取材に基づき作成

特定の職員の名前を叫ぶ

 一夜明け、当時の男の行動と事件の背景が徐々に明らかになってきました。

 市によりますと、男は、16日午後3時前、特定の職員の名前を叫びながら北玄関から入り、税金を担当する「税務グループ」に向かったということです。

 「男は税務室グループの執務室内に入り、自らガソリンのようなものをかぶって、火をつけたということです」(記者)

 すでに自分に液体をかけた後なのでしょうか。

 男を捉えた動画を見ると、左足のズボンがぬれていることがわかります。

 

男の対応にあたった職員

職員はさすまたで応戦

 当時、男の対応にあたった職員は――

 「カウンターで、まず手提げ袋からペットボトルを出して、そこにナタで穴をあけて、灯油をぶちまけ刃物を振りかざしました。中に入ってきたので、さすまたで職員が押さえつけました」(高浜市役所 職員)

 職員によりますと、男は隣の「経済環境グループ」に移動したため、職員がさすまたで応戦。

 すると男は、「税務グループ」に戻り、火をつけたということです。

 「奥にいた職員に対して、刃物で首を切りつけました。男が自ら灯油を頭からかぶって、自らライターで火をつけて、火だるまになった。職員が消火し、消火が終わって、男が伏せたので、そのタイミングで4~5人で押さえた」(高浜市役所 職員)

 

高浜市 吉岡初浩市長

市民税を滞納、納付をめぐりトラブルか

 捜査関係者によりますと、男は、自分の腹のあたりを刃物で切りつけて、火をつけたとみられています。

 警察は、男を建造物侵入の疑いで現行犯逮捕しましたが、やけどで重傷を負い、治療のため釈放しています。

 「ガソリンのような液体をあけて、みんなの方にまいた。その後に自分でガソリンのような液体を全部かぶった。みんな怖がっていた」(目撃者)
 
 数年前から市民税を滞納し、今年3月から預金を差し押さえられていたという男。

 毎月10万円ずつ納付することで合意していましたが、男は、6月から月5万円に減額するよう市に求め、トラブルになっていたということです。

 「職員の迅速な対応で、事件は短時間で収まったが、残念ながら職員にけが人が出てしまいました。大変遺憾に思っております。不測の事態に応じられるような、体制づくりに努めていきたいと思っております」(高浜市 吉岡初浩市長)

 警察は、男の回復を待つとともに、事件の詳しい経緯を調べています。

 

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