台風接近、収穫の秋を前に対応に追われる農家「できることをやって過ぎさるのを待つ」

2024年8月26日 19:20

厳しい残暑が続く中、日本列島に接近している台風。収穫の秋を前に、対応に追われる愛知県内の農家を取材しました。

「(梨の『あきづき』は)甘さや食感・水分量など、すごくバランスの取れた人気の高い品種、楽しみにしてくれてるお客さんもすごく多いので、できるだけ被害が少なくて、たくさんの方にお届けできたらいいな」(チロルの農園 岩瀬宏二さん)

 愛知県豊橋市の果樹園「チロルの農園」。ブドウや梨など、この時期から出荷の最盛期を迎える「秋の味覚」を育てています。

 こちらの農園では、台風の風から果物を守る対策を行っています。風で揺れて梨が落ちてしまわないよう、丈夫な「竹」を使って、枝を支えます。

「棚が揺れるとこれだけでも結構揺れる、それで実がぼとぼとと落ちてしまう。棚を持ち上げて、竹で間柱して上下に揺れないようにしている。(Q.対策はこの柱で)台風だとものすごい揺れかたをするので、それでぼとぼと落ちるので揺れなくするだけでも防げる」(岩瀬さん)

 長く続いた猛暑、そして台風。ほかに育てている「巨峰」も、この夏の気候に大きな影響を受けたそうです

「このあたりの地域だとお盆ぐらいには色がついて収穫時期になるんですけど、高温の影響で着色不良とか、遅延で色が回ってこないぶどうが毎年増えている。去年やおととしだと、収穫し終わっているくらいなんですが今で全体の4分の1が残っている。着色不良のぶどうが増えている。ぶどうは(台風の)対策はしない。近いと(実が)ぶつかって劣化する。(Q.それは防ぎようがない)しょうがないですね。台風は必ず1年に何回かは来る仕方ないものなので、ある程度諦めるしかない」(岩瀬さん)

 

台風の影響で予定より早く「アイスクリームバナナ」を収穫

予定より早く収穫する農園も

 田原市伊良湖町にある別の農園では、台風の接近を前に、収穫を早める決断をしました。

 栽培しているのは、皮ごと食べられる「アイスクリームバナナ」。予定より一週間ほどはやく収穫しました。

「(収穫の予定は)きょうではなかったんですが、台風が来ているということで勢力によるが、全部倒れてだめになるより先に収穫した」(吉田園 吉田訓章さん)

 去年の6月には大雨でハウスが浸水し多くの農作物に影響が出たこともあり、今回は、早めの収穫に踏み切ったといいます。

「外の畑が全部冠水してしまって、池みたいになってそこだけで終わらずハウスの中に入って全部水につかったので、根腐れではないがだめになった。5~10センチくらいの高さまで(水がつかった)」(吉田さん)

 また、ブロッコリーや春菊などの苗についてはビニールハウスに一時的に入れる応急処置を取りました。

 しかし、連日の猛暑でビニールハウスの中が高温になっているため今後、成長に悪影響が出る可能性もあるといいます。

「心配ではあるが、人間の力でどうこうできるものではないので、できることをやってあとは過ぎさるのを待つしかできない」(吉田さん)

 

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