住民「こんなにひどいのは初めての経験」 長時間の雨で東海地方の各地に被害 土砂災害に引き続き警戒

2024年9月2日 17:23

週末に東海地方に最接近した台風10号。1日午後、熱帯低気圧に変わりましたが、長時間の雨が各地に被害をもたらしました。

 11日前に発生した台風10号。

 過去最強クラスとされた台風10号は、進路をなかなか定めないままゆっくりと日本上空を進み、接近する前から各地に大雨をもたらしました。

 台風10号は、8月31日に東海地方に最接近しました。

 岐阜県でも夜明け前から激しく降る雨が屋根や地面を強く叩きつけました。

 長時間降る雨の影響で、川の水位も上昇し茶色く濁った水が勢いよく流れていました。

 

三重・松阪市の百々川が氾濫 8月31日午後2時半ごろ(視聴者提供)

三重・松阪市の百々川が氾濫

 8月31日午後には、三重県北中部地方で線状降水帯が発生しました。

 松阪市では、8月31日の3時間雨量が全国1位となる139.5ミリを観測し、市内を流れる百々川が氾濫。

 また、おなじく松阪市内にある堀坂川では堤防が約20メートルに渡って崩れました。

 堤防は大きくえぐれていて、すぐそばにある住宅のほうへ川の水が流れ込まないよう大量の土嚢が積まれていました。

 

冠水した道路で車がストップし手で押して移動させられた

住民「こんなにひどいのは初めての経験」

 一方、岐阜県でも広範囲で冠水などの被害が発生しました。

 大垣市の赤坂東地区では近くを流れる杭瀬川が増水し、氾濫の恐れがあるとして一時、警戒レベル5の「緊急安全確保」が発令されました。

「ここまで、こんなにひどいのは初めての経験。海に来たかとビックリした。何これって感じ」(住民)

 飲食店を営む男性は―。

「お店の裏に100キロくらいある冷凍庫が浮いて移動しているけどいけない。入って行ったら(水が)腰くらいまであるから自分の身が危なくなる」(飲食店を営む男性)

 車のタイヤがまったく見えなくなるほど冠水した道路。

 取材中に目の前で止まる車も…。車は後ろから手で押して移動させられました。

 

岐阜県池田町 8月31日午後3時ごろ

孤立のような状態になったエリアも

 さらに、この場所から上流にいった池田町を流れる杭瀬川と東川の合流地点付近で川が氾濫。町内の広い範囲が水につかりました。

 住宅のあるエリアでは、周りが完全に水につかってしまい一時、孤立のような状態に。

「午前11時半がピークだったと思います。(水位は)1メートル超えている感じ」(住民)

 グラウンドゴルフ場から流れてきたベンチが水路に詰まり、9月1日は朝から重機を使ってその撤去作業も行われました。

 

浸水被害にあった店

土砂災害に引き続き警戒を

 浸水したエリアで営業していた料理店では、宴会などに使う座敷が被害にあいました。

「8月31日の正午ごろかな、それから1時間半くらいで来ちゃったから…。もう畳はあげられないし、なすがまま」(浸水被害にあった店の人)

 台風は1日正午には熱帯低気圧に変わりましたがこれまでの大雨で地盤が緩み土砂災害の危険度が高まっている所があるため引き続き注意が必要です。

 

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